研究分担者 |
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
大塚 正人 東海大学, 医学部, 講師 (90372945)
太田 正穂 信州大学, 医学部, 准教授 (50115333)
細道 一善 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系・人類遺伝研究部門, 助教 (50420948)
今西 規 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディシナル情報研究センター, 研究チーム長 (80270461)
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研究概要 |
日本人に最も頻度の高いHLAハプロタイプのゲノム塩基配列を完全に決定するために、ロシュ社の次世代シークエンサーGS Junior systemを用いて、HLAクラスI領域1.8Mbを網羅する184個のPCR産物の塩基配列を決定した。その結果、リファレンス配列のNT_007592(1,857,161bp)よりも80,509bp短い1,776,652bpのゲノム塩基配列を決定した。HLAクラスII領域ならびにクラスIII領域の計2MbについてはPCR増幅ならびにシークエンシングにより、ほぼ全領域のゲノム塩基配列を決定した。またHLA領域との相関性の認められる重症筋無力症サンプルを用いたリシークエンシングの準備も進めている。さらにHLA遺伝子におけるゲノム多様性を理解するために、HLA-A,-B,-C,-DRBl,-DQAI,-DQBl,-DPBlおよび-DPBl遺伝子についてエンハンサーやプロモーター領域を含む遺伝子全領域(5~11kb)をそれぞれ特異的にPCR増幅させ、その後、次世代シークエンシングにてその塩基配列を決定することによりHLAアリルを判定する新しいDNAタイピング法を開発した。この条件にて従来法では単一のアリル判定ができないサンプルのDNAタイピングにより、いずれの検体とも8桁レベルのHLAアリルが判定された。したがって、本法はambiguityの認められない8桁レベルのHLAタイピングに有効であるとともに、新規HLAアリルやnullアリルを効率よく検出するための精度の高い、究極のHLA-DNAタイピング法であることが示唆された。一方、HLA統合データベースの構築については、技術基盤としてのリンク自動管理システムを整備し、ヒトMHCに関するGene,Protein,Structure,Function,Literatureなどのオミックス情報を統合化した。
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