研究領域 | 先端技術を駆使したHLA多型・進化・疾病に関する統合的研究 |
研究課題/領域番号 |
22133002
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 准教授 (00317744)
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研究分担者 |
太田 正穂 信州大学, 医学部, 准教授 (50115333)
細道 一善 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系・人類遺伝研究部門, 助教 (50420948)
今西 規 東海大学, 医学部, 教授 (80270461)
大塚 正人 東海大学, 医学部, 講師 (90372945)
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研究期間 (年度) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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キーワード | ゲノム / 次世代シークエンサー / リシークエンシング / ゲノム多様性 / データベース |
研究概要 |
(1) HLA遺伝子領域のゲノム解析:日本人集団最高頻度HLAハプロタイプであるHLA-A24-B52-DR15配列に存在していた約60 kbのギャップをコスミドクローンを用いて埋め、現在、イルミナ社の次世代シークエンサーより得られたリード配列をマッピングすることによる補正を進めている。またHLA領域をホモ接合体として有するセルライン、24サンプル(うち日本人由来7サンプル)におけるHLA領域のターゲットリシーケンス、バイサルファイトシーケンス、RNAシーケンスをおこない、HLA領域における多型・変異ならびにDNAメチル化とHLA遺伝子発現量の関連性、ハプロタイプ間の差異を精査した。 (2) 超高解像度NGS-DNAタイピング法の開発:HLA-DRB3/4/5プライマーを新たに設計し、合計11 HLA遺伝子座におけるPCR条件の統一化とマルチプレックス法、またアリル判定法などDNAタイピングの骨子となる手法を開発した。本法の有用性を評価するために、日本人を含む主な集団から収集した計120検体における多型解析を進めている。また、非血縁間造血幹細胞移植ドナー/患者ペアーにおけるHLA遺伝子多型の網羅的検出と移植成績との比較やHLA関連疾患2種(自己免疫性肝炎と自己免疫性膵炎)における多型解析を進めている。 (3) HLA統合データベースの構築:昨年度に引き続き、リンク自動管理システムを基盤として国内外のHLA関連分子情報の統合化を進めた。またヒトの全タンパク質断片に対してHLAクラスIおよびクラスII分子と結合するエピトープの予測を網羅的に行った。これをデータベース化し、自己ペプチドとの結合性予測結果を容易に検索・閲覧できるシステムを本領域研究内で公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本人集団最高頻度HLAハプロタイプであるHLA-A24-B52-DR15配列決定や主要なHLAハプロタイプにおけるHLA領域の多型・変異ならびにDNAメチル化とHLA遺伝子発現量の関連性に関する研究に目途が立ったこと、超高解像度NGS-DNAタイピング法の開発をほぼ終えることができ、この方法を用いてHLA関連疾患における多型解析を開始できたことから、本研究課題はおおむね順調に進展している、と言える。
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今後の研究の推進方策 |
本計画研究の進行をさらに加速させ、他研究計画にそれら情報を提供し、本領域の活性化ならびに質の高い成果を発表することを図る。統合データベースに関しては、国全体で取り組んでいるライフサイエンスデータベースプロジェクトとの連携や国際的なHLA研究者との連携なども視野に入れつつ、研究開発に取り組みたい。
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