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2011 年度 実績報告書

HLA領域非コードRNA群の多様性と機能解析

計画研究

研究領域先端技術を駆使したHLA多型・進化・疾病に関する統合的研究
研究課題/領域番号 22133003
研究機関九州大学

研究代表者

山本 健  九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60274528)

キーワードHLA / エピゲノム / DNAメチル化 / ゲノム多様性
研究概要

HLA領域内の非HLA遺伝子の中には,非コードRNAが,偽遺伝子に由来する高分子RNAを含め多種多数存在する。転写制御をはじめとするその多彩な機能に鑑みれば,HLA領域内ncRNAの機能と多様性を理解することは,本領域が掲げる「HLAの成り立ちの進化学的解明」および「免疫応答関連疾患発症におけるHLAの役割の解明とHLAを標的とした分子創薬のための免疫抑制分子の解明」という目的の達成に不可欠である。また,ncRNAはエピゲノムによる遺伝子発現制御にも重要な役割を演じ,本研究が扱うテーマはHLA領域のエピゲノムの解明も含む。
平成23年度は,DPB1アレルとHLA領域内DNAメチレーションレベルとの相関を解析し,DPB1アレル特異的なHLA領域内エピジェネティックスを明らかにした。DPB1遺伝子型が明らかなEB細胞株92検体について,イルミナ45万DNAメチル化サイトチップを用い,DNAメチル化レベルを0から1の連続値として取得した。拡大HLA領域(26-34M)に位置する14,224サイトを解析対象とした。これらのサイトにおけるメチル化レベルと,本検体群で5%以上の頻度を示したDPB1*02:01,*03:11,*04:01,*04:02,*05:01,*0901,6アレル間のアレル数との相関を線形回帰モデルにて検定した。その結果,BF補正後も有意であるメチル化サイトを28サイト同定し,そのうち21サイトがDPA1あるいはDPB1座に位置していた(それぞれ12および9サイト)。この21サイトのうち,18サイトは,*05:01のアレル数に応じてメチル化が減少する方向性を示していた。また,この21サイトのうち17サイトには,SNPがメチル化サイトと同位置もしくは+1baseの位置に存在しており,*05:01とLDにあるSNPを介してメチル化レベルが規定されると考えられた。DPB1*05:01は,DPA1およびDPB1遺伝子領域に位置しDNAメチル化サイト近傍に存在してメチル化レベルに影響を与えるSNPとLDの関係にあるため,特有の低DNAメチル化レベルを保持しており,それがα鎖とβ鎖両者の発現レベルを上げている可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HLA領域のDNAメチル化を標的としたエピゲノム解析を行い一定の成果を得た。

今後の研究の推進方策

これまでに得たエピゲノム解析結果と発現との関連を明らかにする。また、ncRNAについては次世代シークエンサーを用いたエクソームデータを取得しているので、これを基盤としてHLA領域のncRNAを明らかにする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Genome-wide association study of coronary artery disease in the Japanese2012

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi F, et al
    • 雑誌名

      Eur J Hum Genet

      巻: 20 ページ: 333-340

    • DOI

      10.1038/ejhg.2011.184

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of independent risk loci for Graves' disease within the MHC in the Japanese population2011

    • 著者名/発表者名
      Nakabayashi K, et al
    • 雑誌名

      J Hum Genet

      巻: 56 ページ: 772-778

    • DOI

      10.1038/jhg.2011.99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Meta-analysis of genome-wide association studies identifies common variants associated with blood pressure variation in east Asians2011

    • 著者名/発表者名
      Kato N, et al
    • 雑誌名

      Nat Genet

      巻: 43 ページ: 531-538

    • DOI

      10.1038/ng.834

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.gen.kyushu-u.ac.jp/~genome/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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