研究領域 | 先端技術を駆使したHLA多型・進化・疾病に関する統合的研究 |
研究課題/領域番号 |
22133008
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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研究分担者 |
宮川 卓 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20512263)
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キーワード | HLA / 疾病遺伝子 / ナルコレプシー / 自己免疫疾患 / 感染症 |
研究概要 |
本研究では、HLA領域およびゲノム全域における最新の多型解析技術を用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)、各々のHLA遺伝子の多型解析、およびリシークエンシングを行い、ナルコレプシーなどの睡眠障害、肝炎などの感染症、1型糖尿病などの免疫関連疾患について病因HLA遺伝子および非HLA遺伝子を特定する。 22年度は、ナルコレプシーに関連する真性過眠症において、既知リスク因子であるHLA-DRB1*1501-DQB1*0602ハプロタイプと、2009年に発表した新規リスク遺伝子TCRA(T細胞リセプターα)のリスクアリルの間に統計学的相互作用が認められた。また、ナルコレプシー患者血清中ではTRB2タンパクに対する自己抗体が高率に観察された。さらにスタンフォード大学グループとの共同研究によってナルコレプシーの新規リスク遺伝子P2RY11を発見した。この遺伝子も免疫担当細胞の増殖や走化性の制御に関わっており、以上の知見を合わせると、興味深いことに、ナルコレプシーなど過眠症の発症に自己免疫機序が関与していると推定された。一方、2008年に発表したゲノムワイド関連解析のデータを、バイオインフォマティクスと組み合わせて解析することにより、NFATC2、SCP2などの新たな感受性候補遺伝子を同定した。 他の疾患に関するおもな成果:インドネシア人における結核とHLA遺伝子群の関連解析を行った結果、結核の再発と関連するHLA-B1802、抵抗性と関連するDRB1*1202を見いだした。また、B型慢性肝炎とHLA-DPB1/DPA1遺伝子が有意に関連することも確認した。
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