計画研究
多くの遺伝性眼疾患でHLAとの有意な相関が報告されている。本研究の対象疾患であるベーチェット病、サルコイドーシス、原田病についても人種を問わずHLAとの顕著な相関が報告されており、各々の疾患の発症にHLA遺伝子が深く関与していることは疑いない。近年各疾患を対象に、HLA領域の解析が進められ、疾患と相関する新たなHLA遺伝子または非HLA遺伝子が同定されている。しかしながら、HLAは高度の多型性を示すとともに、強固な連鎖不平衡を有するため、疾患と真に相関するHLA遺伝子あるいは非HLA遺伝子は未だ確定されていない。また、HLAは人種による遺伝子頻度の多様性も示すことから、疾患とHLAの相関に人種差が認められる場合も報告されている。したがって、本研究においてHLA領域を対象にゲノムリシークエンシングを遂行することにより、各々の疾患の真の疾患感受性HLA遺伝子あるいは非HLA遺伝子を確定する。さらに、本領域内研究A02およびA04の知見に基づき、私達が確定した病因遺伝子と結合する病因ペプチドの検索およびその病因ペプチドの結合阻止分子の同定を行う。平成26年度は、日本人のベーチェット病、サルコイドーシスおよび原田病を対象に、その発症リスクに対する遺伝子間相互作用(gene-gene interaction)の検討を行い、既知のHLA遺伝要因と遺伝子間相互作用を示す可能性を持つ遺伝要因をベーチェット病において見出した。本成果は、ベーチェット病の病態の解明に繋がるとともに、疾患の分子標的薬の開発を可能にすると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件)
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