研究領域 | システム的統合理解に基づくがんの先端的診断、治療、予防法の開発 |
研究課題/領域番号 |
22134003
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石川 俊平 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50418638)
|
研究分担者 |
前田 大地 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30585500)
|
研究期間 (年度) |
2010-06-23 – 2015-03-31
|
キーワード | ゲノム / 薬剤反応性 / シグナル伝達 |
研究概要 |
包括的ゲノミクス解析の対象となる化合物耐性株の樹立を行っている。細胞株に対して比較的新世代の薬を対象とし、耐性獲得の指標として電気的細胞毒性測定を用いて高感度に耐性の獲得を評価を行っている。いくつかの体制株を得ており、包括的トランスクリプトーム解析、およびエクソーム解析を行っている。また薬剤耐性の評価にかかわる周辺技術の開発については全トランスクリプトレベルの配列解読技術を構築した。Referenceとなるトランスクリプト配列、SNP情報、CNV情報との比較を含め、配列異常解析、発現異常解析、異常バリアント解析を精度よく行うアッセイ手法、アルゴリズムの開発を行った。免疫ゲノムレパートリーについては腫瘍に浸潤するがん組織に浸潤するTリンパ球、Bリンパ球の抗原受容体の再構成レパートリーの網羅的探索を実施し未知の部分が多い腫瘍浸潤リンパ球の獲得免疫の特徴を捉える試みを行なっている。トランスクリプトーム解析技術の周辺技術として多様な生物種にわたるメタトランスクリプトーム解析を試行して、胃粘膜組織に特徴的な微生物のプロファイルを同定し実際の臨床検体の組織で染色を行なって局在等の確認を行なった他デジタルPCRなどでその存在頻度の定量を行なった。また従来の抗腫瘍薬に対して極めて難治である低分化胃癌に対する新規の治療ターゲットを探索するべく低分化胃癌組織検体よりDNAを抽出した検体のシーケンシングを解析をおこなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおりに薬剤反応性のゲノミクス、免疫ゲノミクスのプロファイルを行なっており、また薬剤耐性癌の新規標的候補探索にも着手している。
|
今後の研究の推進方策 |
化合物添加時におけるFunctional genomics解析を含め包括的ゲノミクス解析を進め、化合物のメカニズム、バイオマーカーの解析を行なう。特に特異性が問題になる酵素阻害剤については特異的な合成致死の経路も併せて探索していく。 免疫ゲノムレパートリー解析、未分化胃癌のシーケンシングについても引き続き行うとともに技術の改良を行う予定である。
|