計画研究
Portilla & Simoncelli (2000)の画像統計量に基づいて物体表面の陰影と模様を区別する分類器を構築した。分類器の学習にはmat:光沢無・模様無,gloss:光沢有・模様無,texture-mat:光沢無・模様有,texture-gloss:光沢有・模様有を各1,800画像用いた。分類器にはは4カテゴリを最も分離するように、726次元の画像統計量を入力として与えた。この分類器にハイライト成分を90度回転させた画像を入力するとmatteとtexture-matの間にマッピングされることがわかった。この結果より、光沢と反射率の変化の違いを区別する分類器が未知のハイライト不整合画像を区別できたことを示している。透明物体を回転させるとその屈折率が高く知覚されるが、背景を運動させても知覚屈折率が上昇した。背景運動の速度を1/4から4倍まで操作したが、知覚屈折率は運動速度の影響を受けなかった。速度依存性の無さは、歪み場の運動が歪みの強さを知覚的に増加させることで知覚屈折率が上昇するのではないことを示唆している。また、身近な透明物体は硬いものほど屈折率が高い。故に、形が明確な物は硬く、硬い物は屈折率が高いという仮定のもとで、屈折率が知覚されていることが示唆された。色と質感の関係性についても引き続き検討している。光沢を有する物体の色の見えが、周囲の物体の光沢ハイライトの色によって変化する結果を得た。この現象は、光沢色が色恒常性に影響する可能性を示唆する。また、光沢物体の画像の鏡面反射成分と拡散反射成分に反対色相の色度を付与すると光沢感が大幅に低下するが、この色度付与による光沢感低下は光沢順応の強度にはほとんど影響を及ぼさなかった。この結果は、順応が生じる視覚処理レベルでは、色による光沢感低下を符号化するメカニズムが存在しない可能性を示唆している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Vision Reseach
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
映像情報メディア学会誌
巻: 68 ページ: J534-J536
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