研究領域 | 統合的多階層生体機能学領域の確立とその応用 |
研究課題/領域番号 |
22136006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
張 功幸 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50347423)
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研究分担者 |
好光 健彦 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (30301576)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 有機化学 |
研究実績の概要 |
薬物(低分子化合物)-蛋白質相互作用のモデル理論を実験科学的に検証することは本領域研究の成功に必要不可欠である。本研究ではその検証ツールとなる低分子化合物の多種多様な置換誘導体合成を考慮した高効率的迅速合成法の開発を行うとともに、合成した低分子化合物群を効率的に供給することで本領域研究に貢献する。本研究2年目にあたる平成24年度は、以下の成果を得た。 本領域研究内の共同研究として昨年度に引き続き他の計画研究班(A02-2班とA02-3班)の実験ツールとして必要な低分子化合物群の供給を行った。新たに公募班との共同研究も開始し、新しいプローブ分子の設計、合成し、ターゲット分子の供給を実現した。 上記に加えて、様々な標的低分子化合物の供給に即座に対応すべく、新規合成方法論の開発も検討した。結果、様々な複素環化合物の合成およびその誘導化反応の開発に成功した。また、ラジカル反応を駆使した新規骨格構築法の開発に重点を置いた研究を推進した結果、グループ移動型ラジカル反応の開発に成功した。この手法により、抗腫瘍活性アルカロイドアゲラスタチンを初めとする生物活性物質の化学合成に成功した。さらに、年度計画を拡張し、生物活性ハロゲン化合物の獲得に有用な合成手法の開発にも成功した。生体ミミック分子として配座固定型人工核酸および高度に官能基化された人工核酸の効率的合成法の開発も達成した。これら化学合成手法は次年度以降の低分子化合物供給の効率化に寄与し、本領域研究の進展に貢献すると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、A02-2班、A02-3班、公募班との共同研究を行い、化合物の供給を実現した。新規合成方法論の開発に関しても、当初計画通り、様々な方法論の開発に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、研究領域内の他の研究班(計画班・公募班)に必要な化合物群を供給するともに、新規合成方法論の開発を行う。現在のところ、いずれの研究(化合物群の供給ならびに合成方法論の開発)においても、概ね計画通りに進展できていることから、当初の研究計画に基づいて今後も引き続き研究を進めていく。
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