計画研究
本研究では、心リモデリング時に発現増加するストレス応答性Ca/Na透過型チャネル分子TRPファミリーが不整脈発生機転に果たす役割の解明を目的としている。H22年度からH26年度にかけ一貫して、パッチクランプ法を用いた電気生理学解析、FRET法に膜電位感受性ホスファターゼ(VSP)を組み合わせた細胞内シグナル解析、及び数理モデルによるショミュレーションを主要な実験手法として用い、(1)TRPM4チャネルの電位・Ca依存性キネティクスの再評価と活動電位(AP)モデルへの組み込み及びシミュレーションによる評価、(2)内因性PIP2ダイナミクスによるTRPM4チャネルゲーティングの制御機構の検討、(3) 内因性PIP2ダイナミクスによる心リモデリングチャネルTRPC3/C6/C7チャネルゲーティングの制御機構の検討、を3つの柱として研究を進めて来た。その結果、H26年度はその集大成として、(a)心房筋APの最新実験モデル(HL-1)にTRPM4キネティクスを組み込み、early-afterdepolarization等の不整脈性変化や自発活性の変化について、実験データを忠実に再現する数理モデルを構築できた。(b)TRPM4の不整脈性変異E7KのPIP2感受性変化を定量化し、この変異体がPLC共役型受容体活性化時におけるEAD変化を起こし易いことをシミュレーションによって示すことができた。(c) TRPC3/C6/C7チャネルのPIP2感受性を定量化し、その僅かな違いが、受容体刺激時に、活性化の強度や時間経過に劇的な影響を及ぼすこと、更にTRPC6に対するTRPC3の発現の相対的増加が、何故過剰な興奮性応答を引き起こすのかを数理モデルに基づいたシミュレーション解析によって示すことができた。また機械的刺激が心筋力学特性とクロスブリッジ動態に及ぼす影響を再現するモデルを完成した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 8件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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