計画研究
核内受容体群は、固有のリガンドと結合することにより特異的な遺伝子の転写活性とタンパク質の量的な変動を引き起こし、発生、代謝、恒常性といった生命維持の根幹に関わる現象を厳密に調節している。核内受容体機能制御分子の創製とバイオプローブ開発を基盤として、核内受容体が発揮する多彩な生物機能に関する理解と制御を目的として、本年度は以下の項目を行った。1)新規ストア作動性カルシウム流入阻害剤の創製:化合物ライブラリーを用いたスクリーニングにより、ストア作動性カルシウム流入を阻害する化合物群を得た。その構造活性相関を明らかとし、それをもとに、新規化合物を設計、合成し、活性を評価した所、幾つかの化合物に濃度依存的なカルシウム濃度制御作用があることがわかった。2)ケイ素官能基を有する核内受容体リガンドの創製:極性官能基としてシラノール基を有する核内受容体リガンドへの展開を図った。アンドロゲン受容体を標的として、受容体との相互作用の鍵となる部分にシラノール基を導入した化合物群を設計、合成した。これらの化合物はアンドロゲン受容体アンタゴニストとして機能したが、シラノール基の役割の解明は今後の課題となった。3)脂溶性ファーマコフォアとしてカルボランを有する核内受容体リガンドの創製:カルボランを有するプロゲステロンアンタゴニストについて、エナンチオマー間の活性の差異を明らかとするため、リパーゼによる光学分割法を確立した。両エナンチオマーの活性を検討し、リガンドの特性とキラリティーに関する知見を得た。4)特定の条件で機能する蛍光センサー分子の開発:蛍光性核内受容体リガンドに加えて、特定の部位における酵素反応や官能基変換により蛍光特性が変わる分子を開発した。これらは、生体内の環境変化を検出する手法へと応用可能である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (28件) (うち招待講演 1件)
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