| 研究領域 | 構造不規則系のレオロジー:アナンケオン動力学の確立 |
| 研究課題/領域番号 |
22H05041
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| 研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
椎原 良典 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90466855)
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| 研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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| キーワード | アモルファス / 金属ガラス / 分子動力学法 / 塑性変形 / 変形素子 / 非平衡系 |
| 研究実績の概要 |
金属ガラスの塑性変形メカニズムは長年にわたって謎とされてきた.その理由は,結晶性材料における転位のような,塑性をもたらす変形素子が未解明であることに依る.本研究課題ではその核である変形素子を「アナンケオン」と称して,分子動力学計算によるその解明を目指して研究を実施した. この最終年度においては,アナンケオンが原子の協調運動であると仮定し,その抽出を試みた.具体的には,「原子凍結法」と呼ばれる新規な計算手法を提案した.従来の変形素子の同定手法は,同定される原子構造が曖昧となる問題を有していた.提案手法では,変形直前の構造に対して一つの原子を仮想的に凍結し,その結果として協調運動が停止するかどうかを調べる.このことで,変形に本質的に関与する原子群を定量的に同定することに成功した. CuZr金属ガラスにおいて提案手法の妥当性を検証した.変形素子アナンケオンは約36個の原子で構成され,周辺に大きな変位を誘発することが明らかとなった.さらに,この素子は構造的な特徴を持たないこと,つまり従来信じられてきた「構造的に柔らかい領域で変形が始まる」という常識を覆す結果も得られた.また,これらの原子は局所結合の断裂や再結合を通じて,塑性流動を誘起する役割を果たしていた.これは,金属ガラスにおける変形メカニズムの理解に新たな視点を与えるものである. 本研究は,金属ガラスの変形を「構造欠陥に依存するもの」から「動的・確率的な協調運動」として再定義した点で極めて重要である.さらに,この考え方は他の非晶質材料にも応用可能であり,ソフトマターから地殻変動まで,広範な非平衡系の力学の理解に貢献する新たなパラダイムを提示している. アナンケオンの同定をもって本研究課題の目的を完全に達成した.成果は基礎科学から応用分野に至る幅広い読者を想定した国際誌に投稿中である(arXiv:2503.14903).
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| 現在までの達成度 (段落) |
令和6年度が最終年度であるため、記入しない。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和6年度が最終年度であるため、記入しない。
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| 備考 |
タイトル:Cooperative atomic motion during shear deformation in metallic glass
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