研究領域 | 反応駆動学:カーボンリサイクルにむけた限界打破への挑戦 |
研究課題/領域番号 |
22H05046
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋藤 敬 京都大学, 総合生存学館, 教授 (00386640)
|
研究分担者 |
久保 祥一 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (20514863)
|
研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
|
キーワード | 動的高分子 / 動的共有結合 |
研究実績の概要 |
本研究は常温・常圧・高選択性の革新的CO2還元化学を達成するため、動的共有結合という、外部からの刺激(光や熱)により結合、解結合を繰り返すダイナミックな化学結合で連結された動的高分子を用いて、選択的に二酸化炭素と水を排出可能となる膜を創成する事を目的としている。動的高分子は、簡易な刺激により架橋度、ガラス転移温度を自由自在に制御する事が可能であり、それによりCO2濃縮に最適な駆動力を再生、維持できる膜を合成する。また触媒等の無機物を膜に内包することで、選択的に触媒反応場にCO2を供給し、生成物を選択的に排出可能となる膜を目指す。 本年度は昨年度合成ルートを確立した、シロキサン骨格と親水性のポリエチレングリコール構造を有する星形単量体を数種類、量合成した。ガス透過性は、高分子の基礎骨格とガラス転移温度に特に依存する事を既に見出しているため、ガラス転移温度を自在に変化させることを目的として、シロキサン鎖、ポリエチレングリコール鎖の長さを変化させた単量体を複数合成した。 その後、それらシロキサン骨格と親水性のポリエチレングリコール構造を有する星形単量体を用いて、動的高分子膜を複数合成した。動的高分子膜に関しては、その物性を示差走査熱量測定装置、熱重量分析、静的引張試験機等で評価した。 次に動的高分子膜にCO2還元化学に必要な触媒を内包できるかを評価するため、ゼオライトを混合し、その分散度等も評価した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、複数の動的高分子とその膜の合成と混合、および触媒内包のための予備実験を進めた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は膜とゼオライトとのハイブリッド膜を用いて、CO2高選択分離膜を創成、CO2還元能力を評価する。特にCO2水素化触媒から生成される水やエタノール等の親水性生成物を、触媒反応場から即座に排出させる膜を合成する。
|