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2022 年度 実績報告書

病態増悪における間質性免疫細胞間クロストークの包括的理解

計画研究

研究領域間質リテラシ―:間質の細胞多様性に基づく疾患メカニズムの統合的理解
研究課題/領域番号 22H05061
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

佐藤 荘  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60619716)

研究分担者 伊藤 美菜子  九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70793115)
研究期間 (年度) 2022-05-20 – 2025-03-31
キーワード間質リテラシー / 自然免疫 / 獲得免疫 / 細胞間クロストーク / 臓器連関
研究実績の概要

免疫系細胞は極めて機能的多様性に富む細胞集団であり、恒常性維持や疾患の発症・増悪に深く寄与する。しかし、それらの過程における時空間的な細胞間クロストークの全貌解明はなされておらず、特に疾患時に様々な細胞が出現する場である間質に焦点をあてた統合的な研究は殆ど進んでいない。本研究計画では体内でも様々な臓器と強い臓器連関がある肝臓に焦点を当て、病態の進行糧において肝臓の間質に出現する免疫系細胞のサブタイプの解析を行うことにより、これまで支持組織として考えられていた間質側から新たに疾患を科学する。
本年度は野生型マウスをコリン欠乏高脂肪食(CDA-HFD)で飼育後、線維化発症期、増悪期、がん発症期・増悪期に肝臓で変化する間質性免疫細胞の経時的変化をシングルセル解析を行ってその変遷を確認した。また、その解析で得られた変化を線維化発症期、増悪期、がん発症期・増悪期について、それぞれ分けてFACS解析することによって確認した。さらに現在、シングルセル解析のデータをCell chat解析とNicheNet解析を行って、細胞間のクロストークについて検討を行っている。
また、他臓器でおきた起きた病変が肝臓の間質性免疫細胞に及ぼす影響に関しても検討している。CDA-HFDを与えて飼育しながら、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)をマウスに低用量で長期間経口投与し、肝臓の免疫細胞に関してFACS解析を行った結果、上記で得られた免疫細胞の変化とは異なる細胞の分布パターンが得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

シングルセル解析で変化が見られた細胞に関して、すでにRNA-seqを用いて網羅的なトランスクリプトームの解析を行って特徴をとらえている。これまでの遺伝子抽出・同定方法を用いて病態の進展に関与する遺伝子を4つ同定している。これらの遺伝子に関しては、総括班の「遺伝子改変動物支援センター」でKOマウスを作成しており、既にホモ個体はすべての遺伝子に関してえられている。現在は、CDA-HFDを用いて病態に与える影響を検討しているところである。

今後の研究の推進方策

これまでに引き続き、間質性免疫細胞を軸にしたクロストークと疾患との関連性を検討する。病態の発症・増悪に関与することが明らかになった分子に関しては、これまでの計画研究2で作製されたKOマウス由来の細胞の遺伝子発現をRNA-seqによって検討し、発現パターンのクラスタリングを行う。これまでに作成された遺伝子発現データベースより、クラスターごとの遺伝子のプロモーター配列を抽出し、転写因子結合予測プログラムを用いて遺伝子発現制御に関わる転写因子を解析する。この解析を用いて新規分子の存在が予想された場合においても総括班の「遺伝子改変動物支援センター」を用いてKOマウスを作成し、病態の進行に伴う遺伝子発現に与える影響を検討する。また、この分子が病態に影響を与えるものである場合は、相互作用する分子の探索を行うことにより、間質性免疫細胞の観点からクロストークの更なる検討を行う。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (10件)

  • [雑誌論文] ETS1 governs pathological tissue-remodeling programs in disease-associated fibroblasts2022

    • 著者名/発表者名
      Yan M、Komatsu N、Muro R、Huynh C、Tomofuji Y、Okada Y、Suzuki H.、Takaba H、Kitazawa R、Kitazawa S、Pluemsakunthai W、Mitsui Y、Satoh T、Okamura T、Nitta T、Im S、Kim C、Kollias 、Tanaka S、Okamoto K、Tsukasaki M、Takayanagi H
    • 雑誌名

      Nature Immunology

      巻: 23 ページ: 1330~1341

    • DOI

      10.1038/s41590-022-01285-0

  • [雑誌論文] Trim41 is required to regulate chromosome axis protein dynamics and meiosis in male mice2022

    • 著者名/発表者名
      Oura Seiya、Hino Toshiaki、Satoh Takashi、Noda Taichi、Koyano Takayuki、Isotani Ayako、Matsuyama Makoto、Akira Shizuo、Ishiguro Kei-ichiro、Ikawa Masahito
    • 雑誌名

      PLOS Genetics

      巻: 18 ページ: e10102~41

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1010241

  • [雑誌論文] The Mechanism of Pertussis Cough Revealed by the Mouse-Coughing Model2022

    • 著者名/発表者名
      Hiramatsu Yukihiro、Suzuki Koichiro、Nishida Takashi、Onoda Naoki、Satoh Takashi、Akira Shizuo、Ikawa Masahito、Ikeda Hiroko、Kamei Junzo、Derouiche Sandra、Tominaga Makoto、Horiguchi Yasuhiko
    • 雑誌名

      mBio

      巻: 13 ページ: e03197~21

    • DOI

      10.1128/mbio.03197-21

  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第51回日本免疫学会
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第33回分子糖尿病シンポジウム
  • [学会発表] Towards understanding the mechanism of fibrosis onset2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      31th hot spring harbor international symposium
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第50回日本臨床免疫学会総会
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第2回日本びまん性肺疾患研究会
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第58回日本肺サーファクタント・界面医学会学術研究会
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第51回日本新脈管作動物質学会
  • [学会発表] Towards understanding the mechanism of fibrosis onset2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      WCI2022 (Roma)
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第62回日本呼吸器学会学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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