• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

動的多細胞コミュニティの生体イメージング解析

計画研究

研究領域骨イメージングではじめる動的多細胞コミュニティ学
研究課題/領域番号 22H05084
研究機関大阪大学

研究代表者

菊田 順一  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (60710069)

研究期間 (年度) 2022-05-20 – 2025-03-31
キーワード細胞コミュニティ / 生体イメージング
研究実績の概要

骨は、骨格の維持にとどまらず、骨代謝、造血・免疫など生体機能の恒常性を維持する上で極めて重要な役割を担う。骨髄内には、役割の異なる多種多様な細胞が存在し、複雑な細胞間ネットワークを形成することで、日々多彩な生命現象が営まれている。例えば、骨を溶かす“破骨細胞”と骨を作る“骨芽細胞”が協調して働くことで、骨の構造が緻密に形作られている。骨の再構築(骨リモデリング)は、破骨細胞が古い骨を溶かすことから開始する。その後、骨芽細胞は溶かされた領域に新しい骨を形成し、自ら産生した骨基質に埋まって骨細胞へと分化して、骨リモデリングが終了すると考えられている。しかしながら、骨は生体で最も硬い組織であるがゆえにシングルセル解析が難しく、骨を構成する細胞社会が一体どのような分子基盤や“論理”で統制されているのかは謎のままである。本研究では、これまで独自に開発してきた骨の生体イメージング技術と、新規に開発する細胞単離・オミクス解析技術を融合させ、骨リモデリングに関わる細胞コミュニティの時空間的相互作用の動態情報と遺伝子発現情報を抽出して紐づけるとともに、社会科学の視点を取り入れた情報学的解析により、骨社会における細胞コミュニティを俯瞰的に理解し、骨リモデリングを支配する基本原理の解明を目指す。本年度は、破骨細胞と骨芽細胞の細胞コミュニティの局在を制御するメカニズムを明らかにするために、生理的な環境を保持したまま、多細胞間での時空間的相互作用の動態情報と遺伝子発現情報を連関させた定量的解析基盤の開発を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨社会における動的多細胞コミュニティを指揮・制御する細胞・分子の探索を行うことができ、本年度終了時としては順調に経過している。

今後の研究の推進方策

計画班A01で得られた細胞動画像とオミクスデータを紐づけて視覚化し、計画班A02の情報科学的解析と、計画班A03の数理社会解析を通して、骨の動的多細胞社会を支配する基本原理を解明する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] JAK inhibition ameliorates bone destruction by simultaneously targeting mature osteoclasts and their precursors.2023

    • 著者名/発表者名
      Yari S, Kikuta J, Shigyo H, Miyamoto Y, Okuzaki D, Furusawa Y, Minoshima M, Kikuchi K, Ishii M
    • 雑誌名

      Inflammation and Regeneration

      巻: 43 ページ: 18

    • DOI

      10.1186/s41232-023-00268-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Progressive differentiation toward the long-lived plasma cell compartment in the bone marrow.2023

    • 著者名/発表者名
      Koike T, Fujii K, Kometani K, Butler NS, Funakoshi K, Yari S, Kikuta J, Ishii M, Kurosaki T, Ise W
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Medicine

      巻: 220 ページ: e20221717

    • DOI

      10.1084/jem.20221717

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Arthritis-associated osteoclastogenic macrophage, AtoM, as a key player in pathological bone erosion.2022

    • 著者名/発表者名
      Agemura T, Hasegawa T, Yari S, Kikuta J, Ishii M
    • 雑誌名

      Inflammation and Regeneration

      巻: 42 ページ: 17

    • DOI

      10.1186/s41232-022-00206-w

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ゼロから始める生体イメージング研究~病態解明と新たな治療を目指して~2022

    • 著者名/発表者名
      菊田順一、石井優
    • 学会等名
      第31回日本リウマチ学会近畿支部学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 生体多光子励起イメージングによる免疫疾患の病態解明2022

    • 著者名/発表者名
      菊田順一、石井優
    • 学会等名
      第50回日本臨床免疫学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 生体イメージング技術による免疫疾患治療薬のin vivo薬理作用の解明2022

    • 著者名/発表者名
      菊田順一、石井優
    • 学会等名
      第96回日本薬理学会年会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi