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2022 年度 実績報告書

貧困研究の実装フィージビリティの理論的・実証的研究

計画研究

研究領域貧困学の確立:分断を超えて
研究課題/領域番号 22H05101
研究機関日本大学

研究代表者

末冨 芳  日本大学, 文理学部, 教授 (40363296)

研究分担者 宮本 太郎  中央大学, 法学部, 教授 (00229890)
山野 則子  大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (50342217)
黒河 昭雄  神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 研究員 (60648450)
堀江 孝司  東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (70347392)
研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2027-03-31
キーワード貧困学 / 子どもの貧困 / EBPM / 社会実装
研究実績の概要

研究初年度であった2022年度は、5年間の研究計画のうち前半期にあたる3年間の研究計画を立案した。そのうえでこれまでの貧困研究の研究成果を社会実装するための方略を立案した。具体的には、2023年度以降の報道関係者、国会議員とのインタラクションを可能とする調査・研究会・シンポジウム等の企画立案である。
本年度は、報道関係者調査にむけた、日本国内における貧困に関する報道がどのような特徴を有しているのか、水島宏明上智大学教授を招いた研究会を実施した。日本では、貧困がどの人も直面しうる課題であり改善されるべきものという視点は薄く、生理の貧困やヤングケアラーブームに代表される局所的な関心に偏る傾向があることが把握された。
またどのような「子どもの貧困」が援助に値する貧困ととらえられるのか、ビネット調査を用い、オンラインで約7000人の対象者にアンケート調査を実施した。ビネット調査は、貧困者の事例を提示し、回答者にその貧困者に対する支援の必要性や妥当性について尋ねる手法である。今回の調査では3歳~18歳の子どもたちを想定し、親の就労状況、家計所得などについて、異なるパターンを提示し、調査を実施したところである。
詳しい分析は2023年度に実施される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画した通り、2022年度は5年間の研究期間の前半期の全体計画を立案し、当初予定通り、報道関係者調査とビネット調査を実施している。
また2023年度には国会議員調査の設計実施および自治体調査の設計(可能なら実施)等の計画も具体的に立案されており、すみやかに実施可能である。

今後の研究の推進方策

2023年度は(1)ビネット調査の分析・効果を行い、学会報告・論文投稿を行う。また分析結果に関する公開研究会を実施する。(2)国会議員調査を行い、公開研究会や与野党国会議員への政策提案活動などを行う。この際、朝日新聞・東大調査などの主要な国会議員調査を参照しながら、本研究にふさわしいテーマ性の高い調査を実施する。また設問の意図を十分あきらかにしながらビネット調査と同様の項目を盛り込むことも検討する。(3)報道関係者調査については、まず主要新聞・放送者の記者の個別インタビューののち、子どもの権利や貧困はすべての人が陥りうる社会課題であり根絶されるべき人道問題であるという視点からの報道がいかにして可能となりうるのか、グループフォーカスインタビューを実施する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] コロナ禍における日本の若者の行動変容に関する探索的研究2023

    • 著者名/発表者名
      林 萍萍、山野 則子、牛 冰
    • 雑誌名

      社会問題研究

      巻: 72 ページ: 73~89

    • DOI

      10.24729/00017912

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 包摂的社会へのベーシックアセット2023

    • 著者名/発表者名
      宮本太郎
    • 雑誌名

      社会政策

      巻: 14(3) ページ: 10-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 子ども家庭福祉の視点から見た包括的支援体制2023

    • 著者名/発表者名
      山野則子
    • 雑誌名

      ソーシャルワーク研究

      巻: 1 ページ: 27-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本の新聞は貧困についてどのように語ってきたのか-社説を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      堀江 孝司
    • 雑誌名

      大原社会問題研究所雑誌

      巻: 766 ページ: 16-30

    • 査読あり
  • [学会発表] 子ども家庭福祉ソーシャルワークの新たなニーズとその対応―エビデンスに基づく仕組みづくり 国内会議2023

    • 著者名/発表者名
      山野則子
    • 学会等名
      日本ソーシャルワーク学会
  • [学会発表] チーム学校を形成するAIスクリーニング(発見から支援まで) 国内会議2022

    • 著者名/発表者名
      山野則子, 中島智晴, 鈴木あい, 渡辺健太郎, 伊藤莉央, 木下昌美, 橋本麿和, 林萍萍, 黄健育, 藤川拓海
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第28回学術集会ふくおか大会
  • [図書] 自助社会を終わらせる 新たな社会的包摂のための提言2022

    • 著者名/発表者名
      宮本太郎
    • 総ページ数
      334
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000615334

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公開日: 2023-12-25  

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