研究領域 | データ記述科学の創出と諸分野への横断的展開 |
研究課題/領域番号 |
22H05110
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
李 聖林 京都大学, 高等研究院, 教授 (50620069)
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研究分担者 |
西川 正俊 法政大学, 生命科学部, 准教授 (30444516)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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キーワード | データ融合数理モデリング / パターン形成 |
研究実績の概要 |
これまでの数理モデルを用いた生命現象の研究では,長年,現象論的なアプローチによってその本質を数学で記述し提案してきた.特に,複雑な生命現象を単純化する視点を生かした数理モデリングの研究は,生物実験だけでは発見することが難しい生命現象の本質を仮説として提案し,生物実験による検証を通じて「仮説」を「可能性」に変えることで,生命科学の発展に貢献してきた.一方で, 実験技術の革新的な進歩により,個々の細胞の動きや遺伝子の発現状態までを定量的に計測できるようになった.生命科学におけるデータ革命と言える時代の到来である.その一方,大量のデータから生命現象の本質をどう抽出するか,さらには,複数の階層と時空間スケールからなる生命の構造をどう統合的に捉えられるかというデータと数理の問題は未だ明確に解決しておらず,今後の生命科学の進歩を左右する極めて重要な問題の一つになっている.本研究では生命の各層から得られるデータから生命機能の本質的な情報を抽出し,それらの情報を階層間で繋げる.これにより生命現象全体を包括的に理解可能とする統合的数理手法の開発,及びデータから現象を結びつける実装的システムの基盤創出を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それぞれの研究projectにおいて、数理的基盤となる数学理論の応用の方向性について議論を行い、現象とデータと数理モデリングをどう統合するかについて基盤構築ができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,生物実験技術向上によるデータ科学の課題と生命科学における従来の数理の課題を別々の問題として捉えるのではなく,生命科学全体の枠組みの中で数理の世界と現象の世界をデータという骨格で繋いだ一つの構造体系として上記の問いを捉えて解決していく.現象のデータを出発点とし,それぞれの生命の階層で得られる実験データから情報を抽出できるデータ記述法を開発し,それぞれの階層間のデータ情報を時空間で結びつけるデータ間の記述法を開発する.これらから得られる情報をもとにそれぞれの階層を結びつけることで,全体として生命現象を捉えられる数理モデルを構築する.最後にデータから数理モデル,そして数理モデルから現象をつなげるシステムを構築することで,実際の生命科学や医療現場でのデータを活用し,その本質的な仕組みを解明できるようになる.これにより新薬や新しい治療法の開発に結びつける実装化の基盤を構築することが可能になる. これらの研究のために一番基本となるデータ収集を初年度では行っていく。さらに、データに基づく数理モデリングの基盤を構築していく。
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