研究領域 | 「学習物理学」の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革 |
研究課題/領域番号 |
22H05113
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
野尻 美保子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30222201)
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研究分担者 |
武村 紀子 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60733110)
岩崎 昌子 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70345172)
田中 純一 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (80376699)
長原 一 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 教授 (80362648)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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キーワード | 素粒子実験 / 素粒子論 |
研究実績の概要 |
Particle Transformer など最新の機械学習模型によるシグナルとバックグラウンドの分類についてはこれまでジェット内部構造などローカルな構造について開発が行われてきたが、分類結果のふらつきが大きく、結果の解釈が難しいという問題があった。このため、high level variable のなかで、分類に効果がある量を抽出し、最適な深層学習模型の解析をおこなった。特に、サブジェットについて新たに、recursive なネットワークを開発して、学会発表等をおこなった。 実験の分野においては、ジェットの分類問題において、画像系のVision Transformerと呼ばれる手法、具体的にはMLPMixerを用いて研究開発し、従来の深層学習と同程度の結果が得られることを明らかにした。また、生成モデル(diffusion model)を用いてジェットの生成(パートン生成)が可能かどうかの検証を行い、基本的な運動学的な分布の生成に成功した。信号事象と背景事象の分類(事象識別)において研究者が持つドメイン知識を導入する手法を提案し、ファインマン図から得られる知識をネットワークに組み込むことに成功した。また、岩崎らは、スパースサンプリングによるデータ処理技術の基礎開発を行い、機械学習によるサンプリングパターン最適化により、データを削減(サンプリング)しても、削減なしの場合と遜色ない測定精度が得られることを示した。加速器制御に関しては、GANを用いた加速器シミュレーターを開発した。次元削減を行うことでGAN特有の問題である、モード崩壊を回避できることを示した。また高エネルギー分野を横断した交流を促進するために国際会議や研究会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々は、本領域計画研究において、素粒子実験への機械学習適用を目指している。現在までに、加速器制御への機械学習適用、素粒子実験へのスパースサンプリング適用、信号識別への機械学習適用を行い、それぞれ研究開発において、着実に基礎研究結果を得て、様々な国内学会、国際会議において成果報告を行っている。また、これらの研究を継続、発展させるための研究打ち合わせを行い、研究環境整備を進めている。現在までの進捗状況は概ね順調に進展していると判断できる。転移学習の試みについてはAI 関係で最難関国際会議であるNeurIPS 2022のワークショップ(ML and Physical Sciences Workshop)で成果報告を行っている。また高エネルギー分野を横断した交流を促進するために国際会議や研究会を開催した
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今後の研究の推進方策 |
2023年度についてはあらたにPDの雇用等が見込まれることから、深層学習模型の開発において、より積極的な展開が期待される。また、トランスフォーマや転移学習の研究については、さらに大きな発展が期待できる
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