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2022 年度 実績報告書

自己膜リン脂質の感知機構と内因性免疫

計画研究

研究領域生体防御における自己認識の「功」と「罪」
研究課題/領域番号 22H05186
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

瀬川 勝盛  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20542971)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2027-03-31
キーワード細胞膜 / リン脂質 / リン脂質移層分子
研究実績の概要

膜を構成するリン脂質は、タンパク質により感知・制御されることで恒常性が維持される。しかし、“自己リン脂質を認識する”という現象が生体にとってどのような「功」と「罪」があるのかは不明な点が多い。また、細胞にはリン脂質以外にもさまざまな生体物質の感知・制御機構が備わる。本計画研究では、リン脂質を中心にさまざまな生体物質を感知・制御する分子を同定する。同定した分子の欠損・変異細胞やマウスを解析することで自己認識が生体におよぼす「功」と「罪」を明らかにする。本年度では、細胞膜リン脂質の動態を制御する新しい分子を同定することに成功した。また、共同研究によりその分子の構造の決定を進めている。さらに、同定した分子の遺伝子改変マウスを導入し、その生理病態学的意義の解明を進めている。またマクロファージがもつ自己成分過剰反応抑制機構の解析もすすめている。本年度では、インターフェロンのレポーターを組み込んだマクロファージの細胞株を樹立することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、胞膜リン脂質の動態を制御する新しい分子を同定することに成功した。また、共同研究によりその分子の構造の決定を進めている。さらに、同定した分子の遺伝子改変マウスを導入し、その生理病態学的意義の解明を進めている。また、同定分子が細胞膜の障害の修復に関与する可能性が見出した。また、同定した分子の遺伝子改変マウスを導入し、その生理病態学的意義の解明を進めている。またマクロファージがもつ自己成分過剰反応抑制機構の解析もすすめている。本年度では、インターフェロンのレポーターを組み込んだマクロファージの細胞株を樹立することに成功した。以上より研究は順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

今後は、新しく同定したリン脂質移層分子がどのように活性化するのかその制御機構を明らかにする。また、各種遺伝子欠損マウスのモデルを用いて、その生理・病態学的意義を解明する。また本年度、インターフェロンのレポーターを組み込んだマクロファージの細胞株を樹立することに成功した。今後、このレポーターマクロファージに死細胞を貪食させて、自己成分の過剰反応抑制に関与する分子をGenome-wide CRISPR/Cas9 screenを用いて網羅的に同定することを目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Protocol to analyze lipid asymmetry in the plasma membrane2022

    • 著者名/発表者名
      Miyata Yugo、Segawa Katsumori
    • 雑誌名

      STAR Protocols

      巻: 3 ページ: 101870~101870

    • DOI

      10.1016/j.xpro.2022.101870

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two types of type IV P-type ATPases independently re-establish the asymmetrical distribution of phosphatidylserine in plasma membranes2022

    • 著者名/発表者名
      Miyata Yugo、Yamada Kyoko、Nagata Shigekazu、Segawa Katsumori
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 298 ページ: 102527~102527

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2022.102527

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Inefficient development of syncytiotrophoblasts in the Atp11a-deficient mouse placenta.2022

    • 著者名/発表者名
      Ochiai Yuki、Suzuki Chigure、Segawa Katsumori、Uchiyama Yasuo、Nagata Shigekazu
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 119 ページ: e2200582119

    • DOI

      10.1073/pnas.2200582119

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Requirement of Xk and Vps13a for the P2X7-mediated phospholipid scrambling and cell lysis in mouse T cells2022

    • 著者名/発表者名
      Ryoden Yuta、Segawa Katsumori、Nagata Shigekazu
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 119 ページ: e2119286119

    • DOI

      10.1073/pnas.2119286119

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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