本研究では免疫プロテアソーム機能不全による自己炎症性疾患(PRAAS)のモデル動物を用いて、細胞内でのタンパクの蓄積とそれを感知するメカニズムについて解析し、その破綻がもたらす病態機序についても明らかにする事を目的とする。今年度の研究においては、PRAASのモデルマウスを各種の遺伝子欠損マウスと交配することによって、その表現型を解析した。その結果、Psmb8とそれを代償する機能のバランスによって発症する病態が異なることが明らかになった。特に、構成型のプロテアソーム機能の発現量と免疫プロテアソームの発現量とその役割が各細胞により異なることが明らかになり、来年度以降はそれぞれの役割を細胞種単位で解明する事が重要であると考えられた。領域内の共同プロジェクトとして寄生虫感染モデルを用いた検証を開始した。scRNA-seqにより寄生虫感染時に変化する細胞集団を捉えることを試みており、現在解析を進めている段階である。
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