研究全体について、本年度は最終年度であるということから、すでに開発してきたゲーミング教材ならびにそれに関係する教材を、法教育の場面でいかに具体的に活用しうるかという点に特に傾注し、研究全体を洗練化してきた。教材ならびにプログラム開発については斯様な事情から開発ゲームのブラッシュアップに専念してきたが、他方交渉に関わるゲームを開発して、より受益者の選択肢の幅を広げることになった。本年度の成果も加えると全体で、裁判員裁判ゲーム(アンドロイド版)、ADRゲーム(正規版)、ADRゲーム(簡易版)、法専門家選択ゲーム、交渉ゲーム、刑事取調べ体験ゲーム(フラッシュ版)、被害者学体験ゲーム(フラッシュ版)をつくりあげたことになる。なお、本研究課題ではないものの、研究代表者・久保山がこれまで開発に関わってきた裁判員裁判ゲーム(小学生版、中高生版)、紙芝居教材『解釈のちから』なども随時効果的に使用してきた。実践については、勤務先であったタシケント法科大学における演習講義科目、日本法演習Ⅰ(模擬裁判)、日本法演習Ⅱ(交渉)、日本法演習Ⅲ(調停/ADR)、リーガルネゴシエーションなどにおいて、ゲームを用いた教育プログラムを実行したほか、タシケント法科大学で開催された公開イベント「学修成果報告会」にても一部使用することができた。このほか、龍谷大学・法情報研究会が主催する「B級法教育フェスタ」第1回(2015年11月3日、京都)、第2回(2016年2月11日、東京)、第3回(2016年5月3日、京都:研究年度外)にてADRゲーム(簡易版)などの実践を行ったり、2016年1月19日には交渉ゲームを用い西宮市立上ヶ原南小学校6年生とタシケント法科大学4年生ならびに修了生との交渉教育プログラム実践を行ったりした。2015年9月には開発ゲームを東京ゲームショウ2015(幕張メッセ)にて展示した。
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