アメフラシ由来の発がん促進物質であるアプリシアトキシン (ATX) の単純化により開発した新規抗がん剤リード・Aplog-1の構造最適化を行った結果,10位にメチル基を導入した10-Me-Aplog-1が,ATXのもつ副作用(発がん促進ならびに炎症作用)をほとんど示すことなく,ATXよりも約2倍高いがん細胞増殖抑制活性を有することを明らかにした.続いて,10-Me-Aplog-1を数百ミリグラムレベルで大量合成し,移植がんマウスモデルにおいて抗がん活性を示すことを確認するとともに,その増殖抑制活性の一部が,プロテインキナーゼCαの活性化によってもたらされていることを明らかにした.
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