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昨年度までに、海洋ポリ環状エーテル天然物ガンビエロールの最小活性構造単位である４環性類縁体の構造を基盤とする光親和性標識プローブの合成を達成した。しかし、生物活性評価および電位依存性カリウムイオンチャネルの光親和性標識実験を行うために十分なサンプルを確保できなかったため、本年度は、改良合成ルートの開発に取り組んだ。ジアステレオ選択的な閉環メタセシス反応による７員環エーテル構築法を鍵工程とするガンビエロール４環性類縁体の効率的な合成法を確立した。さらに、本反応による６～８員環エーテルの合成について詳細に検討し、その一般性などを明らかにした。さらに、合成した４環性類縁体から、H環の官能基化とトリエン側鎖の導入を行い、リガンドとなるアルキン誘導体を合成した。さらに、アジド基を有するビオチン化されたベンゾフェノン誘導体との、銅触媒によるアジド－アルキン付加環化反応を行って光親和性標識化プローブの合成を達成した。合成した分子プローブは、Kv1.2チャネルを過剰発現させたCHO細胞に対して、100 nMで約50%のKvチャネル電流を阻害することを明らかにした。
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