研究領域 | 太陽系外惑星の新機軸:地球型惑星へ |
研究課題/領域番号 |
23103002
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
林 正彦 国立天文台, 大学共同利用機関等の部局等, 台長 (10183914)
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研究分担者 |
高遠 徳尚 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (50261152)
GUYON Olivier 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH研究員 (90399288)
住 貴宏 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30432214)
左近 樹 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教 (70451820)
藤原 英明 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH研究員 (70581445)
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キーワード | 系外惑星 / 惑星大気 / ガス惑星 / 地球型惑星 / ハビタブルゾーン |
研究概要 |
高コントラスト赤外線面分光器(CHARIS)の概念設計をプリンストン大学が主体となって行った。まずサイエンスからの要求を明確にした。その結果、分光器の視野は1.8”x1.8”以上、分解能はR=40で0.9-1.8μmの波長範囲を同時に分光する機能を必須モードとし、より長波長域(< 2.3 μm)までの機能と、R=20, 80のモードを含めることを目標機能とした。また惑星の相対位置測定精度は 3 marcsec が要求された。 この要求仕様に基づいて実際の設計へのブレークダウンを行い、光学系、機械系の概念設計を行った。その結果上記仕様を満たす設計が実現可能であることが分かった。ただし面分光装置に必要な視野分割の際に生じるクロストークを低い値に抑えることができるか、及び冷却光学系の駆動を所定の精度で達成できるかについて、試作を行って確認する必要があることが分かった。2012年3月にハワイ観測所にて概念設計レビューを実施し、これらの結果についてより広い見地から検証した。 ハワイ観測所では、CHARISの前置光学系となる超高次波面補償光学装置(SCExAO)の開発と高効率コロナグラフの詳細設計および一部製作を行い、段階的にその性能を確認した。 観測的研究ではHiCIAOによるすばる戦略枠観測を本格的に開始し、また重力マイクロレンズ法を用いた観測を継続して行った。 南極ドームふじに設置してある系外惑星探査用カメラ(TwinCam)は、第53、54次南極地域観測隊に委託して改修を行った。その結果無人電源モジュールの修理に成功しイリジウム通信が復活した。しかしTwinCam自体の復帰は、観測隊の作業時間不足のために達成出来なかった。現在リモートでの復帰を試みている。可視光全天カメラは復帰して、ドームふじでの夜間の雲量、背景光強度等の天文サイトとしての評価データが再び取得可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
無人電源モジュールPLATO-Fの改修とイリジウム通信の復旧は達成されたが、現在までに正常に復旧できた観測装置は可視全天カメラHR-Camのみである。 系外惑星探査用カメラTwinCamは現在復旧をリモートで試みている。観測装置の復旧が遅れた原因は、南極観測隊に依頼したドームふじ現地でのPLATO-Fの復旧に想定以上に時間が掛ってしまったため、装置の現地での復旧作業に充てる時間が大幅に不足してしまったからである。
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今後の研究の推進方策 |
無人電源モジュールPLATO-Fを豪ニューサウスウェールズ大と協力して運用するとともに、南極の夜が始まる4月より可視全天カメラによるモニター観測を再開し、夜間の雲量、減光量、背景光強度などのデータを取得する。系外惑星探査用カメラTwinCamの復旧をリモートから引き続き行い、復旧のレベルに応じて観測計画を立て直す。もし望遠鏡が駆動できなくてもカメラが作動していれば、広視野固定天頂カメラとして各種基礎データの取得は可能となる。
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