研究領域 | 先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学~真空と時空への新たな挑戦 |
研究課題/領域番号 |
23104004
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藏重 久弥 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20205181)
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研究分担者 |
山崎 祐司 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00311126)
佐々木 修 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30178636)
花垣 和則 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40448072)
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研究期間 (年度) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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キーワード | 陽子衝突型加速器 / 標準模型 / ヒッグス粒子 / マイクロメガス |
研究概要 |
7,8TeV での陽子・陽子衝突事象の解析データから測定器のさらなる理解を進め、標準模型を高い精度で検証していった。ミューオン検出器(藏重)、トリガー(山崎)の知識を活かして、背景事象の少ない解析が可能であるミューオンへの崩壊チャンネルに重点を置いた。また、W/Z からのミューオンの背景事象を理解するためには、ボトムジェットからの高い運度量を持つミューオンの生成過程の測定が重要となり、ボトムジェットの識別には、内部飛跡検出器の理解(花垣)が必要不可欠である。WW,WZ,Wγ,Zγ終状態の断面積の測定を行い、標準模型ではあり得ない「3点ゲージ結合(TGC)」についても上限値を求めた。 また、Di-Boson終状態はHiggs->WW,ZZに対する背景事象となるため、標準模型によるこれらのチャンネルの理解が進んだことで、平成24年7月の新粒子の発見に大きく寄与した。 この新粒子の性質の同定を行うためLHCのビームタイムも2ヶ月延長され、標準模型に関連する新粒子の背景事象のデータ解析を優先した。そのため、当初計画していた内部飛跡検出器のビームテスト用検出器の開発およびデータ解析をH25年度に延期して行った。 また、低Ptジェット生成反応の解析も並行して行い、'Underlying event'の性質について明らかにした。 ミューオン検出器の開発については、マイクロメガス検出器試作品について、放電現象の研究について研究開発・ビームテストをおこない、RD51 MPGD Workshop collaboration meetingで報告した。ミューオン検出器の解析を応用して、荷電粒子の質量を測定するアルゴリズムを開発・改良し、長寿命のSUSY粒子(stau)の探索に貢献した。 また、2012年9月22日 神戸大学において、講演会「LHC実験にて新粒子(ヒッグス粒子?)発見」を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に加速器、検出器とも稼働して当初予定された以上の積分ルミノシティを達成し、データ解析も進み、新粒子の発見につながった。一方、データ解析を優先したため検出器開発が少し遅れ、予算を繰り越したが、H26年9月末までに予定の開発を終了した。
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今後の研究の推進方策 |
7,8TeV での陽子・陽子衝突事象の解析を進める。特に、Di-Boson終状態の解析による伝弱相互作用の研究、及び低Ptジェット生成反応の解析による強い相互作用の研究によって、標準模型の検証を推し進める。2013,2014年のシャットダウン中に、ミューオン検出器およびトリガー、内部飛跡検出器の開発を行う。
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