研究領域 | 先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学~真空と時空への新たな挑戦 |
研究課題/領域番号 |
23104010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡利 泰山 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任准教授 (40451819)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 素粒子論 / 弦理論 / 加速器物理 |
研究実績の概要 |
新学術領域「テラスケール」のB03班、「テラスケール物理から超弦理論への展開」では、最先端加速器実験と超弦理論の間に接点を作り上げる理論的研究を遂行することにより、実験成果の最大化を図ることを目的とする。平成25年度に成果が主に得られたのは、超弦理論の定式化の一つ、F-理論の理論的側面の理解についてである。
まず、フラックスコンパクト化により複素構造が決定されるという物理は、代数的サイクルの代数の複素構造依存性 (Hodge 理論、Noether-Lefschetz 問題)を解く数学と本質的に同じ問題である、という理解を追及した。そして、従来 Type IIB 超弦理論に基づいて展開されてきた弦理論の解の統計学を、F-理論に拡張する第一段階の結果を得た。また、混合型弦理論とF-理論の間の双対性を、8次元時空の有効理論に落ちる場合において、モジュラー群の取り方にいたるまで精密に成り立っていることを証明した。(JHEPから出版)
その過程で、2つの純粋数学の結果も得られた。(i) K3曲面に導入できる楕円曲線ファイバーの分類空間に、純粋に代数的な言語による表示を与えた:格子理論をもちいる。幾何的情報を使わずに。(ii) K3曲面の楕円曲線ファイバーの複素合同を法とする分類が、特異ファイバーの型による分類に比べてどの程度細かいか、という問題に対し、細かさに上限値があることを証明した。これらの結果は、数学の雑誌に論文として投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
B03班では、複数の研究テーマを同時並行して進めることを計画している。そのいずれにおいても、成果が出つつある。
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今後の研究の推進方策 |
LHC 加速器での実験の進行状況および、共同研究者の availability を参考にいれ、随時、1.ハドロン物理の弦理論による研究、2.宇宙論、素粒子論の融合研究、3.超対称性の破れの研究、4.ミクロ領域での時空像の探求、の4系統への優先順位や資源の割り当てを起動的に変更していく。
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