研究領域 | 有機分子触媒による未来型分子変換 |
研究課題/領域番号 |
23105003
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
秋山 隆彦 学習院大学, 理学部, 教授 (60202553)
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キーワード | 有機分子触媒 / 不斉合成 / リン酸 / 不斉還元反応 / ベンゾチアゾリン / ケトイミン |
研究概要 |
優れた不斉触媒の開発は,現在の有機合成化学に課された最も大きな課題の一つである。申請者らは,(R)-ビナフトール由来のキラルリン酸がキラルブレンステッド酸触媒として優れた不斉触媒活性を示す事を見出した。近年,キラルブレンステッド酸は大きな注目を集めており,世界中の研究者から数多くの不斉触媒反応が報告されている。しかし,触媒を設計し,触媒反応を開発するためには,数多くの試行錯誤を必要としているのが現状である。本研究においては,理論化学の研究者との共同研究により,キラルリン酸と基質との弱い相互作用の本質を明らかにすることにより,リン酸が高い不斉触媒能を示す理由を解明する。これにより,触媒設計の指導原理を確立し,酵素を凌駕する高い触媒活性を有するキラルブレンステッド酸触媒,触媒反応を開発し,有機分子触媒の分野におけるブレイクスルーを達成することを目指して研究を進めている。 ケトイミンの不斉還元反応は,光学活性なアミンを合成する重要な手法の1つである。我々は,ベンゾチアゾリンを用いた水素供与体として用いたリン酸触媒によるケトイミンの還元反応を報告している。今回,脂肪族由来のケトンを用いた還元的アミノ化反応効率良く進行し,対応するアミン類が高い光学純度で得られることを見出しした。特に,モレキュラーシーブス5Aを添加する事により,副反応が抑制され,対応するアミンが収率良く得られることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リン酸触媒を用いた不斉合成反応開発が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては,理論化学の研究者との共同研究により,キラルリン酸と基質との弱い相互作用の本質を明らかにすることにより,リン酸が高い不斉触媒能を示す理由を解明する。これにより,触媒設計の指導原理を確立し,酵素を凌駕する高い触媒活性を有するキラルブレンステッド酸触媒,触媒反応を開発し,有機分子触媒の分野におけるブレイクスルーを達成することを目指す。
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