計画研究
本研究では、様々な有機触媒反応の制御システム(基質/触媒間の相互作用や活性化、立体制御など)について分子レベルで理解すると同時に、得られた知見に基づく合理的・革新的な有機分子触媒の設計開発を目的としている。本年度は、各班の実験研究者と連携して不斉反応の制御機構解析、ならびに弱い分子間相互作用に関する精密解析を引き続き行いながら、設計開発の総括を行った。リン酸触媒によるベンゾチアゾリンによる1,5-ベンゾジアゼピンの不斉移動水素化反応、ビスリン酸触媒による不斉Diels-Alder反応について理論的解析を行い、特徴的な遠隔不斉誘導や独自の不斉反応場による立体制御機構の詳細を明らかにした(A01班:秋山、寺田と連携)。また、ピロリジノピリジン触媒による直鎖ジオールの選択的モノアシル化反応について理論的検討を行い、2つのアミド側鎖による協働的な水素結合ネットワークの形成に基づく立体制御機構の詳細を明らかにした(A02班:川端と連携)。さらに、グアニジン-ビスチオウレア触媒による不斉Friedel-Crafts反応について理論的検討を行い、水素結合ネットワークの構築によって適合誘導的に不斉反応場を構築する立体制御機構の詳細を明らかにした(A03班:長澤と連携)。これら一連の知見によって、有機触媒反応では、キラル空間制御に基づく立体相互作用だけでなく、水素結合ネットワーク、π/π、CH/πなどの分子間相互作用に基づく特定の遷移状態の安定化が立体制御の鍵であることを解明し、合理的・革新的な有機分子触媒の指針指針を確立した。一方、有機分子触媒における種々の弱い分子間相互作用の詳細を明らかにするため、本年度は、カルコゲンやヨウ素などのハロゲンの弱い分子間相互作用の解析を行うとともに、アンモニウム触媒の立体選択性に分子間相互作用が与える影響を解明した(A01班:山田と連携)。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 18件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 8件、 招待講演 5件) 図書 (1件)
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