研究領域 | 有機分子触媒による未来型分子変換 |
研究課題/領域番号 |
23105009
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
根東 義則 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90162122)
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キーワード | 有機触媒 / 芳香環 / 脱プロトン / ホスファゼン / 複素環 / オニウムアミド / 分子変換 / 結合活性化 |
研究概要 |
有機触媒プロセスを用いる芳香環脱プロトン化の体系化をはかるために、触媒的な展開の可能性が示されている二つの反応についてその基礎的な検討を行った。一つはホスファゼンP4塩基を用いて芳香環の触媒的な脱プロトン化であり、当量反応においては芳香複素環化合物の部位選択的な脱プロトン化修飾を行っており、従来の有機金属化学とは異なる部位選択性を見出している。有機ケイ素化合物をプロトン化されたホスファゼン塩基の再活性化剤として用いることにより触媒化に成功し、その適用範囲を明らかにした。またホスファゼン塩基を触媒として用いる重水素化溶媒による重水素化についても最適化をはかり、様々な芳香環および芳香複素環の環プロトンの部位選択的な重水素化を行った。また二つ目の方法としてはオニウムアミドという新しい反応活性種を用いる脱プロトン化反応を検討した。これはフッ化オニウムとアミノシラン誘導体からアミドアニオンを発生させるものである。ボスファゼニウムP5フルオリドを用いることにより比較的高温においてもオニウムアミド塩基を発生させることが可能であることが示されており、そのアミド塩基により様々な芳香複素環の脱プロトン化について検討を行った。またオニウムアミドはその構造がこれまでほとんど研究されていないので、NMRスペクトルを用いる構造解析を行うとともに、脱プロトン化-修飾による新しい触媒反応開発を炭素-炭素結合生成を中心に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した実験を行い、目的とする触媒反応の開発に成功した。反応の最適化についてはさらに検討する必要があるが、今後の展開の土台を構築することはできたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画したとおりに研究を推進することができる見込みを初年度に得ることができた。現時点では特に問題点は無く計画は変更せずに着実に遂行していく予定である。
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