計画研究
昨年度までの研究で確立した2つのシクロヘプタノイド型キラル合成素子、すなわち、 4-ヒドロキシシクロヘプタ-2-エン-1-オン(1)と8-オキサビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-2-オン(2)に潜在する合成化学的機能性の開発を機軸として、ヒドロアズレノイド(ビシクロ[5.3.0]デカン)型キラル合成素子を創製することに成功した。具体的には(1)を原料として、その基質制御に基づくシクロペンタン環の増築を経てヒドロアズレノイド型合成素子(3)を合成し、これよりRh触媒分子内C-H挿入反応を鍵工程とするα-メチレン-γーブチロラクトン増築によって抗腫瘍活性セスキテルペン天然物アルグラビンの全合成を行い、(3)のキラル合成素子としての有用性を実証した。一方、(2)を原料として、ナザロフ環化によるシクロペンタン環の増築を経てヒドロアズレノイド型合成素子(4)を合成し、これよりRh触媒C-N形成反応を含む高ジアステレオ制御下の連続的な官能基変換を経て、腎腫瘍治療薬リードとして期待されるエングレリンの全合成に成功し、(4)のキラル合成素子としての新たな機能性を開発した。また、有機ニトロキシルラジカル型酸化触媒のさらなる有用性を開発すべく、高度に官能基化された抗腫瘍活性海洋天然物イルシニアスタチンB、がん転移抑制活性を示す新規天然物フサリセチンA、変形イソキノリンアルカロイドであるタルキエニンの合成中間体アルコールの酸化への適用を図り、反応条件を精査を経て、合成化学的適用性の拡張を果たした。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 11件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~gousei/synthetic/contents/studies.html