計画研究
(1)鎖状グアニジン/ビスウレア触媒を用い、テトラロン骨格を有するβ-ケトエステルに対するα位の不斉酸化反応(水酸基化反応)を開発した。さらにβ位に置換基を有するテトラロン型βケトエステルに対して本反応を適応することで、β位の不斉炭素に関する速度論的光学分割反応を見いだすことができ、非常に効率よくテトラロンのβ位に不斉炭素を有するテトラロン誘導体を高い不斉収率で得ることに成功した。なお本化合物は、通常よく用いられる不斉1,4付加型の反応では得ることができないため、当該骨格を持つ化合物の非常に効率的な合成法が開発できたことになる。これらの開発した二つの有機触媒的不斉反応を基盤として、抗がん剤として知られるカンプトテシンおよびダウノマイシンの効率的不斉合成を達成した。また速度論的光学分割反応を基盤として、リグナン系アルカロイドであるリノキセピンおよびリシリジドBの不斉全合成にも成功した。(2)鎖状グアニジン/ビスチオウレア触媒を用いたエントロピー支配型不斉反応の開発を行った。その結果、イミン類に対するフェノール類の不斉フリーデル-クラフツ型反応において-30℃から20℃の温度範囲において顕著なエントロピー効果を見いだすことができた。本反応を基盤として、グラシラミンの基本骨格の合成に成功した。一方、これまでにフェノール類とニトロアルケン類のエントロピー支配型不斉フリーデル-クラフツ型反応を開発している。本不斉反応を基盤として、ジヒドロリコリシジンの不斉合成を達成することができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (37件) (うち国際学会 16件、 招待講演 4件)
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