研究領域 | 超高速バイオアセンブラ |
研究課題/領域番号 |
23106010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
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研究分担者 |
穴田 貴久 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30398466)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 石灰化 / 骨 / 骨芽細胞 / 細胞システム |
研究実績の概要 |
H24年度は、人工合成ミネラルと天然高分子との複合体を種々の条件で作製し,骨再生能の最適化を図った.また,OCPと骨芽細胞の相互作用・細胞応答性を評価することができる培養デバイスの設計,試作を行った.また,三次元細胞塊への酸素供給が可能な培養デバイスの設計,作製,評価を行った. 1) 種々の粒子径を有する人工合成ミネラル(OCP)顆粒を調製し,コラーゲンと複合化することでOCP/コラーゲン複合体を作製し、骨再生能をラット頭蓋冠規格化骨欠損(直径9 mm)にインプラントすることで比較検討した.顆粒径が小さい複合体の方がOCPの吸収性が早く,骨再生率が高いことがわかった. 2) 前年度の合成ミネラルと細胞の相互作用解析デバイスに改良を加え、より精密にOCPと細胞の配列、集積を可能とする培養デバイスを開発した.OCPを遠心力により所定の位置へ定量的に配置し,細胞を誘電泳動により固定位置を調節,この原理により結晶と細胞間の距離を制御できた.細胞がOCP結晶から受ける影響を検討している. 3) サイズの均一な球状細胞組織体(スフェロイド)を簡便に形成させることができ,さらに安定に酸素を供給することができる培養デバイスを設計・作製した.酸素供給の影響を検討するために酸素消費量が高い肝癌細胞株HepG2を培養チップに播種して検討を行った.このデバイスにより培地内酸素濃度の低下が抑制され,細胞増殖の促進,肝機能マーカータンパク質(アルブミン)産生が長期維持されることがわかった.開発した培養デバイスは生体外三次元組織体形成に有用であることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は研究の基盤となる人工合成ミネラルの開発,足場マトリクス材料の性能評価,H23年度に試作した培養デバイスの改良,および三次元細胞塊作製デバイスの開発を実施した.計画に準じた進め方とほぼ予想した結果が得られていることから概ね順調に進展していると評価できた.
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今後の研究の推進方策 |
培養デバイスの改良により設定するパラメータ(結晶の量および細胞と結晶の距離)の定量的な制御ができるようになった.結晶への細胞応答性をシグナル伝達レベルで解明していくために領域内の班間および公募班間との連携を加速し確実な成果となるように務める.またin vitroで得られる結果とin vivoの生体反応の相関性の解析を推進する.
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