研究領域 | ナノメディシン分子科学 |
研究課題/領域番号 |
23107004
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
由井 伸彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70182665)
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研究分担者 |
金野 智浩 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80371706)
田村 篤志 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (80631150)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ポリロタキサン / シクロデキストリン / 超分子 / 成長因子 / ポリイオンコンプレックス |
研究実績の概要 |
平成23-26年度の期間、様々なCD貫通率、ジメチルアミノエチル(DMAE)基修飾数のポリロタキサンを合成し、分子構造と細胞、生体分子との相互作用解析、および細胞内デリバリーに関する検討を行なった。これまでの研究を踏まえ本年度は、マイナス電荷の硫酸基を有するポリロタキサンを新たに設計し、カチオン性の成長因子であるBMP-2との複合体形成、ならびに成長因子活性(骨分化能)に関して評価を行った。硫酸基修飾数の異なるポリロタキサン(PEG分子量 4500, α-CD貫通数29)を調製し、BMP-2と混合することで複合体を作成した。MC3T3-E1細胞を使用し、BMP-2複合体添加後に骨分化を調べるために、初期分化マーカーであるalkaline phosphatase(ALP)産生量、石灰化の評価としてAlizarin Red染色を行った。比較対象として、BMP-2と複合体を形成し成長因子活性を亢進することが知られているヘパリンを使用した。培養3日後の調べた結果、BMP-2単体、ヘパリン/BMP-2複合体では既報と同様にALP産生量の向上が認められた。興味深いことに硫酸化ポリロタキサン/BMP-2複合体はヘパリンの約2倍、BMP-2単体の約3倍という非常に高いALP産生量を示した。また、培養14日後にAlizarin Red 染色を行い、石灰化を評価した結果、硫酸化ポリロタキサン/BMP-2複合体では他群と比較して約10倍以上の顕著な石灰化を認めた。また、ヘパリンは血液抗凝固作用を示すことが知られているが、硫酸化ポリロタキサンはヘパリンが抗凝固作用を示す濃度の1000倍でも全く抗凝固作用を示さなかった。以上より、硫酸化ポリロタキサンは安全性、骨形成の亢進に優れることから骨形成因子を体内で有効に利用するための添加剤やスキャフォールドとしての利用が期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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