計画研究
糖鎖による機能的・形態的シナプス可塑性制御機構を解明するために、本年度は次の2つの研究を実施した。1)シナプス可塑性誘導時における細胞外プロテオグリカンの改変機構の解明:シナプス可塑性のモデルである長期増強(LTP)はAMPA型グルタミン酸受容体の分泌によって起きる。これまでに、LTP誘導刺激によってAMPA受容体に加えてライソゾーム酵素の一部が分泌され、神経細胞周囲のプロテオグリカンが一時的に減少することを発見した。このようなライソゾーム分泌はこれまでに神経細胞においては知られていなかった新しい現象である。そこでこの現象の生理的意義についてさらに解明を進めた。現在、論文化にむけて準備中である。2)ゴルジ体ストレス反応における糖鎖修飾と神経機能の関連:神経細胞におけるゴルジ体は、通常は一番長い樹状突起の根元の細胞体や、主要な樹状突起の分岐部分に存在する。このことからゴルジ体が、細胞膜や膜タンパク質を供給することにより、一方向性樹状突起の形成・分化に関与することが示唆されている。またゴルジ体における膜タンパク質への糖鎖修飾の異常がAngelman症候群での神経症状に関与することも示唆されているが、その因果関係や分子機構はよく分かっていない。そこでこれまでに開発を続けてきたゴルジ体の機能を光遺伝学的方法によって制御する方法を更に改良し、小脳プルキンエ細胞の樹状突起形成やシナプス可塑性における、ゴルジ体機能について解明を進めた。現在論文化に向けて準備中である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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