研究概要 |
1)トランスジェニックマウスの作成:本研究の目的である神経回路網の品質管理とその破綻を検討するために、オートファゴソーム形成のモニターとして蛍光標識したAtg9AとDFCP1を発現するトランスジェニックマウスの作成に成功し、それぞれをカテプシンD欠損マウスと掛け合わせている。また、ミトコンドリアの可視化のためにTom20を蛍光標識してトランスジェニックマウスを作成したが、標識化Tom20が分解されることが分かった。細胞レベルで、発現させると問題なく発現することは確認している。他のマーカーを使って作製し直している。 2>カテプシンD欠損マウスによる軸索変性:カテプシンD欠損マウスは神経性リポフスチン蓄積症のモデルマウスであるが、私達は、CD^<Flox>マウスとGluR2δ-Cre recombinaseマウスと交配してプルキンエ細胞特異的にカテプシンドォ欠損させた所、生後4週くらいから小脳白質の軸索にオートファゴソーム様構造物や膨化した小胞体の蓄積、終末部にオートファゴソームや膨化した分泌小胞が認められ、細胞体よりも軸索とその終末に強い変化が選考することが分かった。 3)初代培養神経細胞による解析:16/17日胚の大脳皮質より得た初代培養神経細胞を用いて、軸索/神経終末におけるLAMP1陽性のリソソーム、LC3/Atg9Aの変化について検討した。LAMP1陽性のドットは、培養日数が12日を過ぎると、tau1陽性の軸索から急激に数が減少することが分かった。また、Atg9とLC3は共局在すること、Atg9Aとシナプトフィジンが順行性及び逆行性にも共局在することが分かった。これらの結果を詳細に再検討するとともに、カテプシンDあるいはAtg9Aを欠損するマウスより得た培養細胞においても検討を進める。 4)大脳より得たシナプス分画での検討:大脳を材料にしてシナプトフィジン陽性のシナプス前とPSD95陽性の後分画におけるAtg分子の検討を行った。現在、シナプス前領域と後領域を別け、Atg9A,LC3,Atg7,DFCP1等の局在を検討中である。
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