計画研究
リソソームカテプシンDを欠損するとカテプシンDの基質が蓄積した変形リソソーム(GROD)とオートファゴソームが蓄積する。このGRODは細胞体と樹状突起にはみられるが、軸索には局在しない。また、その多くは、オートファゴソームに取り込まれて存在する。GRODの膜にはユビンキチンとp62/Nbr1が局在することから、GRODは、これらのタンパク質を介して隔離膜のLC3と結合してオートファゴソームに取り込まれると推測し、CD/p62/Nbr1の三分子を欠損するマウスを作成して調べた。その結果、細胞体と樹状突起にはGRODを新たに取り込むオートファゴソームは激減していた。しかし、軸索にはCD欠損のみの場合と同様に、二重膜構造を持ったオートファゴソームの蓄積が認めれた。さらに、p62/Nbr1は軸索には局在しなかった。さらに、カテプシンD欠損プルキンエ細胞を作成し(CDflox/flox:Cre-GluD2)、p62/Nbr1の局在を検討した結果、軸索/シナプス前領域にはこれら分子は認められなかった。これら事実をさらに確認するため、初代培養神経細胞を17日胚のマウス大脳皮質細胞から確立し、蛍光標識したp62とNbr1をそれぞれ発現させて局在と局在かの分子機構を解明する系を立ち上げた。現在のところ、Tau1陽性の軸索にはこれら分子は侵入しないことを確認している。これらの結果は、軸索/シナプス前領域の環境はオートファゴソーム形成の観点から細胞体と異なることが分かった。また、Atg9やDFCP1に関する解析は、シナプス前領域の膜成分の同定が困難で、さらに検討を加えて行く予定である。Atg9のコンディショナル欠損マウスの作成を開始した。欠損マウスを使って標識Atg9の発現マウスを作成する予定である。
2: おおむね順調に進展している
軸索/シナプス前領域におけるAtg9陽性の膜成分の解析は遅れているが、現在コンディショナルKOマウスを作成することで対応を計っている。軸索と細胞体の環境の違いをリソソームの局在に加え、p62/Nbr1で明らかに出来た。今後、syntaxin17を含め軸索局在に関する分子機構を解明する。既に、p62についてはリン酸化部位との関連をほぼ詰めることが出来た。
P62/Nbr1/syntaxin17の局在化の分子機構を解明する。これによってリソソームが軸索から排除される機構も解明できると考えている。
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