計画研究
本年度は、Atg9Aを中枢神経系で欠損するマウスを作成し解析した。Atg9AF/F:Cre-Nestinマウスは、生後1週までに約半数が死に至り、生後2週を過ぎると体重は増加せず、約28日で全てのマウスが死に至った。生後2週の時点で、けいれん発作、limb clsping reflexやrotarod testで回転棒に残れる時間は有意に短くなり、協調運動ができないことが分かった。Atg9Aの欠損によってオートファジーが破綻し、選択的オートファジーのアダプター(レセプター)タンパク質として知られるp62やNBR1が蓄積することが知られている。実際、1)細胞体の変化:免疫染色やwestern blotで検討すると、生後2週の時点では、免疫染色でp62/NBR1/ubiquitin陽性顆粒は、多くの神経細胞で豊富に認められ、western blotでも強い蓄積が見られた。しかし、生後4週になると、免疫染色陽性像やwestern blotで見られるタンパク質量は有意に減少していた。2)軸索/終末部の変化:細胞体の変化とは異なり、軸索とその終末部は、時間経過とともに変性像が増悪すること、軸索のspongiform変性が見られた。3)神経回路の形成障害:さらに、Atg9A欠損脳では、脳梁の形成不全と前交連の不形成が見られた。Atg9A,Atg7,Atg16Lの各欠損マウス,およびこれらのlittermatesの胎生期の大脳皮質より得た初代神経細胞を培養して、突起の伸展を観察したところ、Atg9A欠損神経細胞の突起の伸展が有意に短いこと、さらに7日間培養した結果、直線状に突起が伸展できないことが明らかとなった。これらの結果は、Atg9Aを中枢神経系で欠損すると神経軸索特異的な障害を引き起こすこと、即ち、Atg9Aは突起の恒常性維持に重要であることが分かった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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