研究領域 | 脳内環境:恒常性維持機構とその破綻 |
研究課題/領域番号 |
23111007
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木山 博資 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00192021)
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研究分担者 |
桐生 寿美子 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70311529)
小西 博之 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (90448746)
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キーワード | 神経損傷 / 軸索再生 / グリア / プロテーオミクス / ATF3 / トランスジェニック |
研究概要 |
本研究では神経変性疾患における神経細胞死の原因の一部は神経細胞自律的ではなくグリアなど周辺細胞とのインターラクションの不具合であるという「神経細胞非自律的細胞死」仮説のもと、このインターラクションにかかる新たなメディエーターの同定をめざしている。本年度は初年度でもあり、今後一連の研究に必要な実験のツールとして、神経損傷特異的に遺伝子発現を制御できるマウスの作成を中心におこなった。神経損傷特異的に神経細胞で発現する転写因子ATF3のプロモーターを用い、その下流にCreとミトコンドリア移行GFP蛋白をコードしたBACトランスジェニック動物を作製した。現在本トランスジェニックマウスの作動状況を確認しているが、少なくとも運動神経傷害に応答して損傷運動ニューロン特異的にミトコンドリアが緑の蛍光を有するようになった。また中枢の神経損傷として、実験的に脳外傷モデルを作製したところ、外傷部位近傍の神経細胞のミトコンドリアにGFPの蛍光が認められた。一方、Creの作動状況を確認するためのローザマウスは現在入手のための手続きを終了し入手待ちの状態である。以上より目的のトランスジェニックマウスがほぼできたと考えられる。次年度はこのマウスを用いて班員との共同研究を展開したい。これとは別に、神経損傷時に作動する細胞間情報伝達分子の同定のため、ミクログリアの細胞株(BV2)を培養し、LPS刺激後の上清を回収しショットガンプロテオミクスの方法で分泌蛋白の解析を試みた。現在まで数回の分析を行ない、いくつかの候補分子が得られているが、次年度はこれらの中から一部の候補分子にしぼり、ミクログリアと神経細胞やアストロサイトとのインターラクションに関する解析に向けて研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的のトランスジェニックマウスがほぼ確立できたことは、計画より若干進行していると評価できる。また、分子探索については予定どおりである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はおおむね完成したトランスジェニックマウスを用いた研究を本格的に進める。このため多くの班員との共同研究を推進する。細胞間メディエーターの解析は候補分子をしぼり、その機能解析を行なう予定である。
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