計画研究
我々の発見した筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子オプチニューリン(OPTN)は、孤発性ALS患者や変異型SOD1による家族性ALS患者の下位運動ニューロン内でそれぞれ見られるTDP-43、SOD1陽性の封入体に局在することがわかっており、変異型OPTNが原因ではないALSにも深く関わっている。筋萎縮性側索硬化症の原因遺伝子として同定したoptineurinの機能を解析し、モデル動物を作成するため、optineurinのノックアウトマウスを作成した。マウスES細胞に、相同組み替えを用いて、1つのアレルに置いて、OPTN欠損させた。そのES細胞をマウス受精卵とキメラを作成し、マウス個体にし、OPTN欠損マウスを得た。コントロールとOPTN欠損マウスを体重と運動機能(ロータロッド試験)について110週に渡って経時的に測定したが、両者の間で有意な差を認めなかった。また、組織学的に、脊髄前角の運動ニューロン数を計測したが、110週齢で、差を認めなかった。また、OPTN変異を有する患者より、皮膚繊維芽細胞、および末梢血より、iPS細胞を樹立し、神経細胞への分化を試みた。OPTNナンセンス変異のホモ接合患者から、また優性遺伝を示すミッセンス変異E478Gを有する患者より、それぞれ、複数のヒトiPS細胞を樹立できた。これらを神経細胞に分化させたが、変異のあるなしで、現時点では形態学的に明らかな差異は、認めていない。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Mol Brain
巻: 8 ページ: 89
10.1186/s13041-015-0180-4.
J Stroke Cerebrovasc Dis.
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