計画研究
1)毒性因子のイメージングと病態解析:タウ病変をポジトロン断層撮影(PET)で可視化するプローブであるPBB3と、PBB3誘導体および他所で作製されたプローブの比較を行った。その結果、一部のプローブはアルツハイマー病患者脳においても、PBB3と部分的にしか結合が競合しないことが判明した。また、非アルツハイマー型タウ疾患である進行性核上性麻痺患者脳においては、PBB3とこれらのプローブは、全く結合様式が異なることが示された。従って、プローブの結合を指標として、各種タウ疾患で毒性を発揮しうる多様なタウ重合体のタイピングが可能になると考えられた。2)毒性因子蓄積と神経炎症・神経細胞死の相互関係のイメージング:PBB3を用いた二光子レーザー顕微鏡イメージングにより、タウ病変モデルであるrTg4510マウスのタウ病変形成や、形成された病変が神経細胞ごと消失する様子を、個々の病変ごとに数ヶ月間にわたって追跡可能になった。これにより、rTg4510マウスにおけるPBB3陽性タウ病変のturnoverは1-2週間と、きわめて速いことが明らかになった。また、Tet-offシステムを利用して、同マウスのタウ過剰発現を阻害すると、タウ病変新生速度が減少するのみならず、タウ病変を有する神経細胞の消失速度も減少することが分かった。その際に、トランスロケータータンパク(TSPO)のPETにより捉えられる神経炎症も減弱し、MRIで捉えられる神経細胞死と脳萎縮も抑えられた。このことから、病的タウによって誘導される炎症性グリアが、タウ病変を有する神経細胞を攻撃して死に至らしめるが、Tet-offによりタウ過剰発現が止まると、炎症性グリアも誘導されなくなり、神経細胞への攻撃も減少すると推測された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 謝辞記載あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 7件、 招待講演 11件)
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