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2011 年度 実績報告書

組織幹細胞の維持と分化の制御機構

計画研究

研究領域上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立
研究課題/領域番号 23112002
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関九州大学

研究代表者

鈴木 淳史  九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (30415195)

キーワード上皮管腔組織 / 幹細胞 / 肝臓 / 発生 / 再生 / 癌 / 分化
研究概要

本新学術領域の目的は「上皮管腔組織の形成・維持と破綻の分子機構を明らかにする」ことである。上皮管腔組織は「非極性化上皮細胞集団が間質へ肥厚し伸長と分岐を繰り返した後に極性化して管腔構造を構築する形式」と「極性化上皮細胞が内腔を有したまま伸長し分岐する形式」といった二つの異なった形式によって形成されると考えられる。ところが、それら上皮管腔組織を構成する個々の上皮細胞を見てみると、それらの分化・成熟の機序には類似点が多いことがわかる。すなわち、どちらの形式であっても上皮管腔組織が形作られるためには、まず、組織幹細胞から上皮細胞が分化し、それらが機能的かつ形態的に成熟する必要がある。そこで本研究では、二種類の管腔形成における共通の分子基盤と相違を理解するために、管腔組織を形成する上皮細胞の供給源である組織幹細胞に着目し、その維持や上皮細胞への分化決定を制御する分子機構を明らかにする。また、正常もしくは異常な組織幹細胞から分化した上皮細胞をもとに生体外で管腔形成を誘導する方法を開発し、組織幹細胞から三次元の立体構造をもった管腔組織を構築する。本研究では、発生段階の肝臓の組織幹細胞である肝芽細胞に着目して研究を進める。これまでの解析の結果、肝芽細胞の未分化性と分化決定を制御する転写因子ネットワークやシグナル分子、マイクロRNAの役割が明らかになりつつある。また、肝芽細胞からの胆管組織形成を解析する目的でタイムラプスイメージングシステムを構築しつつある。さらに、解析に必要な種々の遺伝子改変マウスの作製と解析を進めている。以上の解析により、組織幹細胞を用いた再生医療の実現や癌幹細胞による組織形成異常の理解に貢献する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝子改変マウスの作製や解析には今後時間を要するが、その一方で、肝芽細胞の機能解析ではデータが得られつつあることから、上皮管腔組織の形成・維持と破綻における組織幹細胞の維持と分化の分子機構の理解に向けておおむね順調に研究が進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

生体内外の解析を通じて多角的に研究を進めながら、他の計画研究や今後参加する公募研究と協力して研究の発展を目指す。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Glycogen synthase kinase 3β-dependent Snail degradation directs hepatocyte proliferation in normal liver regeneration2011

    • 著者名/発表者名
      Sekiya S., Suzuki A.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA

      巻: 108 ページ: 11175-11180

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct conversion of mouse fibroblasts to hepatocyte-like cells by defined factors2011

    • 著者名/発表者名
      Sekiya S., Suzuki A.
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 475 ページ: 390-393

    • DOI

      10.1038/nature10263

    • 査読あり
  • [学会発表] Lin28bは肝芽細胞の増殖を制御する2011

    • 著者名/発表者名
      高島康郎、鈴木淳史
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-12-13
  • [学会発表] Induction of functional hepatocytes from fibroblasts by defined factors2011

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Suzuki
    • 学会等名
      2011 International Forum for Stem Cell Translational Research
    • 発表場所
      Shanghai, China(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-23
  • [学会発表] 肝臓の再生機構と発癌2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木淳史
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-03
  • [学会発表] 肝幹細胞のプロスペクティブな解析:生体外の解析から生体内の解析へ2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木淳史
    • 学会等名
      日本遺伝学会第83回大会
    • 発表場所
      京都(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-22
  • [学会発表] Induction of functional hepatocytes from fibroblasts by defined factors2011

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Suzuki
    • 学会等名
      The 7th FAOPS Congress
    • 発表場所
      Taipei, Taiwan(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-14
  • [備考]

    • URL

      http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/labo/orgreg/index.html

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公開日: 2013-06-26  

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