計画研究
1)対立遺伝子間におけるエピジェネティックな優劣性発現制御機構の解明アブラナ科植物Brassica rapaの花粉因子複対立遺伝子間における複雑な優劣性が、2種類の低分子RNAを介して制御されていることを形質転換実験による証明も含めて明らかにした(論文投稿中)。さらにArabidopsis lyrataの花粉因子複対立遺伝子間の優劣性の解析を進め、同様に限られた種類の低分子RNAで制御されている可能性を明らかにした。これらの解析により、低分子RNAを介した優劣性の制御がアブラナ科の花粉因子複対立遺伝子間で普遍的に機能していることが明らかになった。また、アブラナ科植物の自家和合性変異株の中には、優性側のSハプロタイプの花粉側因子遺伝子に変異を持つものが多い傾向が示され、これらがdominant negative変異として自家和合性の獲得・固定において機能した可能性が示唆された。2)遺伝子重複を介した非自己対立遺伝子認識機構の解明これまでの解析により、ナス科植物の自家不和合性が約18種類のSLFsによる協調的な非自己S-RNase認識・無毒化機構により制御されていることが明らかになった。また、本機構の進化過程で、Sハプロタイプ間でgene conversion等によるSLFsの受け渡しが行われてきたことが示された。以上の結果をもとに、ナス科植物におけるSハプロタイプの進化モデルを考察した。当該モデルに基づき進化過程を計算機上で模擬したところ、gene conversionを想定した場合のみ、新たなS-RNaseをコードするSハプロタイプが、これを認識する新たなSLFsの誕生に追随する形で進化してくることが示され、モデルの妥当性が示された(論文投稿中)。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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