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2013 年度 実績報告書

レトロトランスポゾンがもたらす非コードDNA領域のクロマチン構造変化

計画研究

研究領域ゲノムを支える非コードDNA領域の機能
研究課題/領域番号 23114006
研究機関東京工業大学

研究代表者

梶川 正樹  東京工業大学, 生命理工学研究科, 講師 (90361766)

研究期間 (年度) 2011-07-25 – 2016-03-31
キーワード転移因子 / レトロトランスポゾン / クロマチン / DNAメチル化 / サイレンシング
研究概要

レトロトランスポゾンは自身のRNA配列を逆転写反応でコピーし宿主ゲノムに挿入することでそのコピー数を増幅する寄生性の配列である。レトロトランスポゾンの転移・増幅は、宿主ゲノムの立場に立てば挿入変異である。すなわちレトロトランスポゾンは、内生のゲノム変異原である。そのような危険な存在であるにもかかわらず、転移因子はほぼすべての真核生物のゲノム中に存在し、宿主生物ゲノムと共に存在している。加えて、高等真核生物ゲノムにおいては、そのかなりの領域(たとえば哺乳類においてはその約半分)がレトロトランスポゾンで構成されている。我々は、これらレトロトランスポゾンが宿主ゲノムの遺伝子発現制御やその成り立ちにどのような影響を及ぼしているのか明らかにすることを目的としている。本年度は、これまでに構築した、ゼブラフィッシュ生体内でのレトロトランスポゾン新規転移検出系を用い、新規転移LINE配列のヒストン修飾がどのようなものであるか、また、DNAのメチル化状態がどのようなものであるのかに着目し解析を行った。その結果、抑制性のヒストン修飾は、配列の新規転移とともに(あるいは直後)に導入されるのに対して、DNAメチル化はすぐには導入されないことを明らかにした。このことは、レトロトランスポゾンの転移抑制がまずヒストン修飾を介したクロマチン構造によってなされ、それがDNAメチル化で強化されることを示しているのかもしれない。現在、これらのエピジェネティック情報が発生時期あるいは世代を超えてどのように受け継がれるのかに着目して解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大きな目的であった、生体内でのレトロトランスポゾンの転移検出系の構築に成功し、この実験系を用いて、新規転移レトロトランスポゾン配列のエピジェネティックな情報が発生段階や世代を通してどのように制御されているのか明らかにできる手段を構築できている。また、この実験系を用いて、レトロトランスポゾン抑制機構およびレトロトランスポゾンが宿主ゲノムに及ぼす影響の一端が明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

新規レトロトランスポゾン配列のエピジェネティック情報であるヒストン修飾とDNAのメチル化の発生段階におけるパターンが異なることが見出されている。この点に着目し、レトロトランスポゾンのエピジェネティック情報制御に関してこの2つのメカニズムの関係性を明らかにすることを目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] In vitro screening for compounds that enhance human L1 mobilization.2013

    • 著者名/発表者名
      Terasaki N., Goodier J.L., Cheung L.E., Wang Y.J., Kajikawa M., Kazazian H.H. and Okada N.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e74629

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0074629

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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