計画研究
本研究では、多様なゲノム機能が非コードDNAを介して如何に連係しながら維持・制御されているかについて明らかにすることを目指した。具体的には、ヒト人工染色体を用いて染色体機能を構成的につくり出し、セントロメアと染色体諸機能との連係を統御するクロマチンネットワークの機構解明を目指して以下の研究を進めた。1. セントロメア機能構成因子の集合メカニズム: CENP-Bはセントロメア機能集合の指標であるCENP-Aと直接相互作用し、CENP-Aクロマチンを反復DNA上に安定化することを証明した(Fujita, Otake et al, 2015)。CENP-Aクロマチンの新規集合に関わるMis18複合体と相互作用するヒストンアセチル化酵素(KAT7)を同定した。KAT7の遺伝子破壊細胞ではセントロメアのCENP-A集合量が半減すること、KAT7の下流でリモデリング因子のRSF1が集合し、CENP-A集合と連動してヒストン交換反応が起ることを明らかにした(Ohzeki et al, 2016)。2. 構成的手法によるクロマチンネットワーク解析:人工染色体を用いて、セントロメア機能集合に関る因子とDNA複製や転写、損傷修復に関る因子との連係するクロマチンネットワークの解析を進め、転写や複製と共通するクロマチンオープン化に関るヒストン修飾酵素(HATs:MYSTs, P300, PCAF)やこれを抑制するヘテロクロマチン化修飾酵素(Suv39h1、HDACs)がセントロメア形成維持に対してもそれぞれ促進/抑制に関っていることを明らかにした (Shono et al, 2015) 。3. ネットワークのかく乱が引き起こす影響の解明:クロマチンネットワークをかく乱させた場合、染色体分配へ及ぼす影響について解析した。上記KAT7の遺伝子破壊株では細胞分裂時の染色体分配に不安定化を引き起こし,さらにヘテロクロマチン化を増強するH3K9me3化酵素Suv39h1の過剰発現では不安定化がより顕著になることを明らかにした(Ohzeki et al, 2016)。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (5件)
Developmental Cell
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Biology Letters
10.1098/rsbl.2015.0817
Oncotarget
巻: 7 ページ: 14841-14856
10.18632/oncotarget.7854.
Mol Biol Cell
巻: 27 ページ: 177-196
10.1091/mbc.E15-08-0605.
J Cell Sci.
巻: 128 ページ: 4572-4587
10.1242/jcs.180786
Nucleic Acids Res.
巻: 43 ページ: 4949-4922
10.1093/nar/gkv405
巻: 43 ページ: e57
10.1093/nar/gkv124
http://www.kazusa.or.jp/j/information/re_info/2016/0509_03.html
http://www.kazusa.or.jp/j/information/re_info/2016/0509_02.html
http://www.kazusa.or.jp/j/information/re_info/2016/0509.html
http://www.kazusa.or.jp/j/information/re_info/2015/1111.html
http://www.kazusa.or.jp/j/information/re_info/2015/0507_02.html