研究領域 | 少数性生物学―個と多数の狭間が織りなす生命現象の探求― |
研究課題/領域番号 |
23115004
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石島 秋彦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80301216)
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研究分担者 |
杤尾 豪人 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70336593)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | バクテリア / 情報伝達 / リン酸化 / ダイヤモンドナノ粒子 / ラマン分光 |
研究実績の概要 |
細胞内における生体分子の化学反応は,非常に少数からなる密度の濃い状態での反応である.従って,生体内での生体分子の反応メカニズムを明らかにするためには,少数分子からなる有限時間,空間における反応を直接観察,計測し,その理論的考察まで含めた学問形態を確立する必要がある.本申請においては,高速ビデオカメラによるべん毛回転の観察法、ダイアモンドナノ粒子を用いた磁気共鳴共役蛍光観察法、細胞内ラマン分光など新規な測定方法を開発・適用することにより、細胞内外における少数分子の挙動について可能な限り定量的な情報を取得し、入力と出力との間の関係を定量的に表現し、分子間の協同性等を詳細に解析することを目論む.本研究では,これまでに構築した,ナノ計測システムとイメージングシステムを融合することにより,各モーター間の連携の様子,走化性シグナルからの情報伝達による回転の応答,外部刺激の変化による回転の応答,ケージド化合物を用いた局所的環境変化と細胞の応答との相関,遺伝情報の制御,発現の様子と回転との相関をこのマルチモーターの計測手法を用いて計測を試みる. 計測の結果,モーター間の回転方向の転換のタイミングには相関があり,さらに,そのタイミングには時間遅れが見られた.この時間遅れはモーター間の距離に依存し,極からの情報の流れが波状に細胞内を伝わって伝搬されたことを示唆する. このことは今までに報告されてはおらず,新たな発見となる.また,ケージド化合物を用いた外部刺激により,細胞の回転方向の割合(CW/(CW+CCW))が変化した.このことは,ケージド化合物による刺激により,受容体からの情報が細胞内部に発せられたことを示すものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
外部刺激なしでのモーター解析は順調に進行している.しかし,CW→CCW,CCW→CW,それぞれ独自の解析はまだ不十分である.また,ケージド化合物による刺激の実験も順調に進行しているが,その実験方法,解析方法はさらに考察を重ねる必要がある. さらに,蛍光GFPを融合したCheYのイメージングに成功した.今後はこの研究も水死していく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
モーターの応答のみの解析で現在研究を進行しているが,さらなる情報を得るためには,イメージング技術との同時計測が必要となる.そのための光学設計を新たに行う必要がある.
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