計画研究
本研究計画では遺伝子発現制御のうち、「細胞核という微少空間の中でゲノム情報がいかに検索されるのか？」に焦点を合わせ、小数分子による情報検索原理を「ゲノムの足場の動き」と、ターゲットを探す「転写因子の動き」の両面から明らかにすることを目的とする。具体的には、生細胞内の個々のヌクレオソーム（ゲノムの足場）と転写因子の動きを1分子レベルで直接イメージングする技術を開発し検証する。さらに、計算機シミュレーションを組み合わせて、核内の動的な環境をモデル化し、既存データを加えて、今までほとんど研究がなされてこなかったゲノムの情報検索の原理を解明する。本年度、主に以下の研究をおこなった。１. クロマチン構造の理論的計算をA03-1富樫と共に進め、クロマチンドメイン構造の新しいモデル化に成功した。現在論文再投稿中である。2. 細胞核内で転写因子Junを蛍光ラベルし、核内のクロマチンの中をどのように振る舞うか1分子レベルで観察することに成功した（前島、A02岡田、A01-2永井）。現在、転写因子がクロマチンのDNAとどのように相互作用し、ターゲットにたどり着くのか？その情報検索機構を解析中である。3. 本研究計画のため、分担者谷口らは、背景光なしに観察できる新しい顕微鏡システムを構築し、細胞の転写産物の個数解析を引き続きおこなった。さらに、ゲノムの折り畳み構造を解析するあたらしい手法を開発し、不規則な折り畳みを観察した。4. 別の少数性問題をして、細胞分裂期の少数ゲノムの分配メカニズムの解析をおこなった。細胞は分裂する際、複製された2コピーのゲノムＤNAを姉妹染色体として凝縮させ、厳密に娘細胞に分配する必要がある。前島らはこの過程が不連続に起こることを明らかにした(Cell 2015) 。さらにA01-2永井・A01-2野地らの協力によって、不連続な過程の最後の部分の凝縮メカニズムにMg2+が関わっていることを示した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 12件) 備考 (3件)
EMBO J.
巻: in press ページ: in press
DOI: 10.15252/embj.201592660
Current Opinion in Genetics and Development.
巻: 37 ページ: 36-45
Doi: 10.1016/j.gde.2015.11.006
Cell.
巻: 161 ページ: 1124-1137
DOI: 10.1016/j.cell.2015.04.030
Methods Mol. Biol.
巻: 1346 ページ: 55-67
10.1007/978-1-4939-2987-0_5
https://www.nig.ac.jp/nig/ja/2016/04/research-highlights_ja/20160413-2.html
tps://www.nig.ac.jp/nig/ja/2016/01/research-highlights_ja/20160128.html
https://www.nig.ac.jp/nig/ja/2015/06/research-highlights_ja/20150611.html
