計画研究
<1.Orexin-tTAマウスの作成>オレキシン神経特異的にtTAを発現する遺伝子改変マウスorexin-tTAマウスを作成した。<2.Orexin-tTA; TetO DTAマウスの作成><1.>において確立したorexin-tTAマウスラインとTetO DTA(ジフテリアトキシンA断片)マウスとの交配によって、orexin-tTA; TetO DTAマウスを作成した。オレキシン神経数は、DOX含有餌で飼育しているときには全く減少していないものの、DOX不含餌に代えてから2日後から減少を始め、1週間後には85%、2週間後には95%のオレキシン神経が脱落することを確認した。<3.睡眠覚醒調節に関わるメゾ回路の抽出とその機能・運命操作>Orexin/tTAマウスを、以下のTet-Oマウスと交配させバイジェニックマウスを作成した。TetO ChR2(C128S):青色光で活性化される非選択的陽イオンチャネルであり、膜電位を脱分極させる。第二世代のChR2であり、橙色光で活性化が停止する。TetO Arch:橙色光で活性化されるプロトンポンプであり強力且つ持続的に膜電位を過分極させる。免疫組織学的解析の結果、オレキシン神経特異的に目的の遺伝子が発現されていることを確認した。<4.視覚情報処理の基盤となる視覚野神経回路の抽出>神経活動に依存して蛍光蛋白Venusを発現する遺伝子改変マウスを用いて、提示した視覚刺激に反応した視覚野細胞を蛍光標識した。この視覚野から切片標本を作製し、蛍光蛋白発現を指標として、同じ視覚刺激に反応したと考えられる細胞群を同定した。それらが微小神経回路網を形成しているかについて、同時ホールセル記録法とケージドグルタミン酸による光刺激法を用いて検証した。
1: 当初の計画以上に進展している
オレキシン神経活動の操作と運命操作を可能とするマウスの作成と機能確認が終了し、計画通りの実験に進むことができる。
チャネルロドプシン2変異体であるChR2(C128S)は、ステップファンクション型であり、長時間神経活動の活性化が出来るものの、活動電位の発生頻度を正確に規程することが出来なかった。その短所を補填するために、高頻度刺激に適する変異体であるChR2(E123T/T159C)を発現誘導する新たなTetOマウスTetO ChR2(E123T/T159C)マウスを作成した。今後はTetO ChR2(C128S)だけでなく、TetO ChR2(E123T/T159C)を用いた活性化も並行して試みる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (26件) (うち招待講演 26件)
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