計画研究
前年度までにMATIIaおよびbについて、βはαの核移行を制御する調節サブユニットであること、そしてαのC末端領域と結合することにより核への分布を調節することを見いだしていた。本年度はこの知見をさらに掘り下げるために、αおよびβサブユニットにそれぞれ直接結合するタンパク質を酵母two hybrid法を用いて探索した。その結果、βサブユニットは核膜孔タンパク質のいくつかと直接結合する可能性を見いだした。一方、αサブユニットについては、ユビキチンE2リガーゼと相互作用することを見いだした。また前年度までに、同酵素のタンパク質量が転写後のいずれかの段階でも制御されていること、この制御は細胞内SAMレベルを感知していることを見いだしていたので、この分子機構についても検討を進めた。RNAシークエンスの結果、SAM添加3時間後にmRNA量が上昇する遺伝子はごく少数であり、この調節は極めて特異性の高いものであると考えられた。アクチノマイシンDを用いた実験により、この調節はmRNA安定性の変化によることを見いだした。そこでリポーターアッセイを用いてこの調節に関わるmRNAシス領域の同定を進め、3’非翻訳領域が関わることを見いだした。現在、この領域に結合する調節タンパク質を、RNA-タンパク質複合体の解析などにより進めている。MATIIの細胞分化における役割を明らかにするために、試験管内筋分化系を用いてMATII阻害剤(MATIも阻害するので実験結果の解釈には注視する必要あり)を用いてその効果を調べた。SAM合成は筋細胞分化において必須であることを見いだした。その分子機構に関する検討を進めていく。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.biochem.med.tohoku.ac.jp/