計画研究
代謝シグナルを受けた遺伝子発現制御機構の中で、転写因子が特定のゲノムDNA配列を読み取る「目」となって作用するには、複数の核内因子とゲノム上で複合体を構成することが重要である。本研究では、in vivo Ad-luc解析法に、さらに我々が独自に開発したゲノム上の全転写因子を網羅した発現ライブラリー (TFEL:Transcription Factor Expression Library) を用いた転写複合体解析法を組み合わせ、様々なエネルギー代謝シグナルが投射されるゲノム上の領域を同定し、その領域上におけるエピゲノム情報を含めた転写環境制御機構の解明を通じて、最終的には、エネルギー貯蔵と消費のバランス制御の転写調節機構の全体像を明らかにすることを目指す。平成24年度においては、従来より進めてきた中性脂肪合成系の転写調節カスケードの解明をさらに進め、SREBP-1cの上流のKLF15遺伝子の、さらにその上流の調節因子の探索を中心に行った。さらに、KLF15の解析と並行して、「絶食シグナル」を受けて動く他の経路の解析を進めた。また上記により得られた代謝シグナル投射領域上にどのような転写因子複合体が形成されているかを我々が独自に開発したTFEL scan法という方法により解析を進め、またTFEL scan法を進化させたTFEL Multi-scan法を開発した。さらに各複合体構成要素分子のメチル化・アセチル化などの分子修飾の状態についても探索を行った。
2: おおむね順調に進展している
KLF15上流のcis-element解析をほぼ完了し、新たな知見を得ることが出来たため、順調に進展していると考えている。
KLF15上流のcis-element(代謝シグナル投射領域)について、TFEL scan・TFEL Multi-scanによる転写複合体解明を中心に進める予定である。
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