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2012 年度 実績報告書

代謝とクロストークする転写環境形成因子の構造科学的な解明

計画研究

研究領域生命素子による転写環境とエネルギー代謝のクロストーク制御
研究課題/領域番号 23116007
研究機関東京大学

研究代表者

清水 敏之  東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30273858)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2016-03-31
キーワードアルギニンメチル化酵素 / SAM / 核内受容体 / X線結晶解析 / X線小角散乱
研究実績の概要

アルギニンのメチル化は遺伝子発現やスプライシングなどの生命現象を制御する重要な翻訳後修飾である。アルギニンメチル基転移酵素(PRMT)はアルギニン側鎖の#61559;位N原子にメチル基を転移する酵素であり、哺乳類では9種類存在する。PRMTはその最終生成物の違いから、非対称ジメチルアルギニンを与えるType I、対称ジメチルアルギニンを与えるType II、モノメチルアルギニンのみを与えるType IIIに分類される。また、PRMTはコアドメインと呼ばれる保存されたドメイン構造を持つとされる。PRMT7はヒトではヒストンなどをメチル化することが報告されており、他のPRMTと異なりコアドメインを2つ持つと予測されている。またPRMT8はミリスチル化を受けており、細胞膜もしくは細胞質に局在していると考えられている。さらにPRMT8はタンパク質以外のものをメチル化することが示唆されている。現在、これらユニークなPRMT7およびPRMT8に注目して構造科学的な研究を進めている。
PRMT7に関しては線虫由来のPRMT7(CePRMT7)を対象とし、高純度精製法の確立、HEPES緩衝液を用いた結晶化に成功し、3.5 Aring;の分解能でデータを得た。しかし、非対称単位中に約20分子を含む巨大格子のため解析が困難であり、構造決定には至っていない。次にX線小角散乱(SAXS)によって溶液中の構造を明らかにした。興味深いことに緩衝液により会合状態が異なり、HEPES緩衝液では3-4量体だが、リン酸緩衝液中では単量体で存在し、コアダイマーを形成していることを明らかにした。PRMT8に関しても結晶化に成功しており、またSAXSの結果などから多量体を形成していることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の達成目標の一つであるアルギニンメチル化酵素の結晶化に成功し、また核内受容体に関する研究を論文化することができたため。

今後の研究の推進方策

結晶の得られているアルギニンメチル化酵素については高分解能データの取得および基質との複合体構造の解析を目指す。また代謝とクロストークする様々なタンパク質についても精製法を確立し結晶化を目指す予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Peroxisome Proliferator-activatedreceptors (PPARs) have multiple binding points that accommodate ligands in various conformations: Phenypropanoic acid-type PPAR ligands bind to PPAR indifferent conformations, depending on the subtype2012

    • 著者名/発表者名
      Kuwabara N
    • 雑誌名

      J.Med.Chem.

      巻: 55 ページ: 893, 902

    • DOI

      10.1021/jm2014293

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural basis of species-specific endotoxin sensing by innate immune receptor TLR4/MD-22012

    • 著者名/発表者名
      Ohto U
    • 雑誌名

      PNAS

      巻: 109 ページ: 7421, 7426

    • DOI

      10.1073/pnas.1201193109

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural basis of recruitment of DNA polymerase ζ by interaction between REV1 and REV72012

    • 著者名/発表者名
      Kikuchi S
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem.

      巻: 287 ページ: 33847, 33852

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.396838

    • 査読あり
  • [学会発表] 自然免疫系受容体TLR4とその関連タンパク質の構造生物学的研究2012

    • 著者名/発表者名
      Shimizu T
    • 学会等名
      第22回WSフォーラム
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2012-11-17
    • 招待講演
  • [備考]

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~kouzou/

URL: 

公開日: 2018-02-02  

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