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2014 年度 実績報告書

代謝とクロストークする転写環境形成因子の構造科学的な解明

計画研究

研究領域生命素子による転写環境とエネルギー代謝のクロストーク制御
研究課題/領域番号 23116007
研究機関東京大学

研究代表者

清水 敏之  東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30273858)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2016-03-31
キーワードアルギニンメチル化酵素 / SAM / 核内受容体 / X線結晶構造解析 / X線小角散乱
研究実績の概要

アルギニンのメチル化は遺伝子発現やスプライシングなどの生命現象を制御する重要な翻訳後修飾である。アルギニンメチル基転移酵素(PRMT)はアルギニン側鎖のグアニジノ基にあるN原子にメチル基を転移する酵素であり、哺乳類では9種類存在する。PRMTはその最終生成物の違いから、非対称ジメチルアルギニンを与えるType I、対称ジメチルアルギニンを与えるType II、モノメチルアルギニンのみを与えるType IIIに分類される。また、PRMTはコアドメインと呼ばれる保存されたドメイン構造を持つとされる。PRMT8はミリスチル化を受けており、細胞膜もしくは細胞質に局在していると考えられている。さらにPRMT8はタンパク質以外のものをメチル化することが示唆されている。現在、これらユニークなPRMT7およびPRMT8に注目して構造科学的な研究を進めている。
PRMT8はPRMT1と比較して相同性は高く両者ともType Iに属する。しかし、PRMT8の構造を決定したところ多量体を形成していることがわかった。ゲル濾過、SAXS,超遠心分析の結果PRMT8は8量体を形成していることが強く示唆された。そこで多量体形成に重要なアミノ酸に変異をいれ多量体形成を阻害したところ、活性の顕著な低下がみられかつ細胞内分布にも影響していることがわかった。つまり、多量体形成はPRMT8の活性の発揮に必須であることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の達成目標の一つであるアルギニンメチル化酵素の結晶化に成功し、構造解析にも成功したため。

今後の研究の推進方策

結晶の得られているアルギニンメチル化酵素については高分解能データの取得および基質との複合体構造の解析を目指す。また代謝とクロストークする様々なタンパク質についても精製法を確立し結晶化を目指す予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Protein arginine methyltransferase 7 has a novel homodimer-like structure formed by tandem repeats2014

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa M, et al.
    • 雑誌名

      FEBS letters

      巻: 588 ページ: 1942, 1948

    • DOI

      10.1016/j.febslet.2014.03.053.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Structural basis of pharmacological chaperoning for human β-galactosidase2014

    • 著者名/発表者名
      Suzuki H, et al.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 289 ページ: 14560, 14568

    • DOI

      10.1074/jbc.M113.529529

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Swi5-Sfr1 protein stimulates Rad51-mediated DNA strand exchange reaction through organization of DNA bases in the presynaptic filament2014

    • 著者名/発表者名
      Fornander LH, et al.
    • 雑誌名

      Nuclec. Acids Res.

      巻: 42 ページ: 2358, 2365

    • DOI

      10.1093/nar/gkt1257

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 線虫由来タンパク質アルギニンメチル基転移酵素7 の結晶構造解析2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川森雄 他
    • 学会等名
      日本結晶学会年会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2014-11-01 – 2014-11-03
  • [備考] 蛋白構造生物学教室

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~kouzou/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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